第6話

涙が止まらなかった。

今、私は本当に少し後悔していた。佐藤徹也に出会ったこと、これまでのすべて、そして死ぬ前に父と喧嘩をしたことを。

私が佐藤徹也と長年付き合っているのに、彼がなかなか結婚しようとしなかったからだ。

父は私に彼と別れるように勧めたが、私は彼らと激しく口論してしまった。

彼らは私を傷つけることなんて決してなかったのに、結局、自分自身を傷つけたのは私だった。

父と母が寄り添いながら背中を丸めて去っていくのを見つめながら、私は佐藤徹也を恨み、田中泉を恨み、そして自分自身をもっと恨んだ。

佐藤徹也はドアを閉め、眉をひそめて考え込み、私に電話をかけてきた。

電話はやはり通じず、彼は留守番電話に切り替わった。

「香澄、もうやめてくれ。お前の両親は年寄りなんだから、お前のことで心配する必要なんてないだろ。お前は人間なのか？」

電話を切った後、彼は急いで警察署に向かった。そこで村田澪と出くわした。

村田澪は、田中泉の家に張り込んでいる警官たちが田中泉がまだ帰っていないと報告したと言った。

佐藤徹也は首を振った。「この男は何かおかしい。問題がないなら、なぜ帰らない？」

村田澪は言った。「そういうわけで、田中泉を重点的に捜索対象にしたんだ。全市で捜索している」

ため息をついた佐藤徹也は再度村田澪に尋ねた。「他に女の子が失踪したと報告している家庭はあるか？」

村田澪は首を振った。「何軒か家族があって、すでに遺体を確認させたけど、どの家族も自分の娘ではないと言っている」

佐藤徹也は眉をひそめた。「まずは田中泉を捕まえるのが急務だ。彼を捕まえれば、全ての真実が明らかになる」

その時、1人の警官が慌てて入ってきた。「ある老夫婦が来て、死者の特徴が彼らの娘に似ていると言っている。遺体を確認させますか？」

村田澪はうなずいた。「連れて来てください」

5分後、私の両親が女性警官に連れられて現れた。

佐藤徹也は彼らを見て一瞬驚いた後、少し不満そうに言った。「あなたたちは何しに来たのですか？警察の仕事を遅らせないでください」

「この事件を解決したら、あなたたちの娘を連れ戻します」

母は泣きながら首を振った。「佐藤徹也、母子は心が通じていることを知らないの？」

「心臓が痛い、私の娘は必ず何かに巻き込まれた」

私は後ろで崩れ落ちるように泣いていた