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6 私が本当に好きな人は誰?

Penulis: けいこ
last update Terakhir Diperbarui: 2025-03-21 21:19:26

見つめあう2人がとっても素敵で……

ただでさえ美人の月那が、今までで1番綺麗で可愛く見えた。

「笹本さん、月那のこと絶対に幸せにして下さいね。もし泣かしたらこのマッサージ店に二度と来ませんからね」

「うわっ、上得意様に来てもらえなくなったら困るしな。わかりました、月那のことは絶対に泣かしません!」

「って、私が太一を泣かすかもだけどね~」

「そうなんだよ~。月那は怖いから、俺が泣かされるかもなぁ。でも、その時は藍花ちゃんに助けてもらお」

楽しく軽快なやり取りの2人を見ていたら、こっちまで幸せな気持ちになる。

本当にお似合いのカップルだ。

「俺達、絶対に幸せになるからさ。だから藍花ちゃんも必ず幸せになってくれよな。月那の大切な人が不幸になるのは嫌だからさ」

筋肉いっぱいの笹本さんからの優しい言葉。

そのギャップがちょっと可愛く見える。

「ありがとうございます」

「月那からちょっと聞いてるけど、今、藍花ちゃん、めちゃくちゃモテモテらしいね」

「えっ、モテモテなんて、そんなことないです」

月那がどんな風に私の恋愛話をしているのかわからないけれど、この言葉はかなり恥ずかしい。

「絶対に良い男を捕まえるんだよ。藍花ちゃんみたいな良い女が妥協したらもったいないし、本当にこいつ!って思えるやつが現れるまでゆっくり待った方がいいよ」

笹本さんが真剣な表情で言ってくれた。

「良い女じゃないです。でも……ゆっくり待ってたら、このまま一生結婚できないかも知れません」

「そんなことはないよ。藍花ちゃんは本当に可愛いんだから自信持った方がいいって」

「そうだよ、藍花。本当に自信持たないと損だよ。太一の言う通り、あなたはめちゃくちゃ可愛いんだから」

やはりなぜか月那に容姿を褒められるととても嬉しい。

「2人に言われたら嬉しいけど……でも……」

「でもじゃない!俺達がついてるから大丈夫!ちゃんと良い奴と出会って恋愛して結婚してほしい。俺達はずっとここで店やってるから、何かあったらいつでも飛び込んでくればいいよ」

「そうだよ、いつでも来な」

この安心感に溢れた優しい2人に勇気をもらえた気がする。

明後日、蒼真さんと会って、改めてちゃんと考えようと思う。

答えが出せるかはわからないけれど、でも何だか今は前向きになれている。この感情は間違いなく2人のおかげだ。

月那……

「笹本 月那」になっても、ず
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    「……おじい様とおばあ様が?」「ああ。俺が学生の頃、祖父母がここに住んでいる時にたまに遊びに来てたんだ。2人には特に可愛がってもらってたから、医者になるって決めた時も誰よりも喜んでくれた」「そうだったんですか……素敵なお話しですね」おじい様とおばあ様の話をする時の蒼真さんは、こんな穏やかな表情をするんだ……と、何だか心がポッと温かくなった。祖父母を大事にしようとする気持ちがすごく優しくて、今も、蒼真さんの中に閉まってあった大切な記憶が蘇ってきたんだろう。「外科医になってすぐに祖父が亡くなって、祖母はうちの実家に住むことになった。ここには祖父との思い出がたくさんあるし、病院からも近いから蒼真に住んでほしいって、祖母が言ってくれたんだ。だから、有難く住まわせてもらってる。本当に、2人にはずっと感謝してる」「蒼真さんは、ご家族のみんなに大事にされてるんですね。私も……自分の家族に会いたくなりました」「ご家族にはたまに会ってるのか?」「連絡はしてます。でもなかなか会うとなると……」「たまにはちゃんと顔を見せに帰った方がいい。家族は大切にするんだ」自分のことだけではなく、私の家族のことまで気にしてくれる蒼真さんは、やはりすごく優しくて良い人なのかも知れない。「はい、そうします。でも、応援して下さっていたおじい様が亡くなられたのはつらかったですね……」「ああ。1番の理解者だったからな。優しい人だった。昔は小さな僕を膝に乗せてよく絵本を読んでくれた。外科医になれた時には、もう病気で治しようもなかったけど、それでもすごく喜んでくれた。もう少し早く医師になれてたら、絶対に死なせなかったのに……それだけが悔やまれる」蒼真さんは唇を噛み締めた。「幸せだったと思います。膝に乗せてたお孫さんが、立派な外科医になって……。嬉しくてたまらなかったと思います」不思議だ……なぜだか涙が溢れてくる。「そうだといいな」蒼真さんは、私の頭に手を置いて、見つめながらそう言ってくれた。その笑みに胸を掴まれる。涙を見られ、恥ずかしさもあるけれど、蒼真さんの心が知れた気がして嬉しくなった。まさか自分が「あの白川先生」にこんな風にしてもらえるなんて想像もできなかったのに……今のこの状況は、私には奇跡にも近い出来事だった。

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    「どうぞ、中に入って」「はいっ、お、お邪魔します」「ああ」まだ全然落ち着かない。早くこの状況に慣れたいのに……それにしても、このワンフロア、全てが蒼真さんの部屋なのか?だとしたら相当すごい。私は、まず広いポーチで靴を脱ぎ揃え、恐る恐る中に入った。まるで未知のジャングルにでも踏み込むかのような緊張感に、帰るまで心臓がもつか心配になった。まだスタートラインに立ったばかりだというのに――用意してあったスリッパを履き、廊下の奧まで進み、ドアを開けると、目の前に広々とした明るいリビングが現れた。「素敵……」そこは、洗練された家具が置かれている、清潔感溢れるオシャレな空間になっていた。アロマディフューザーから良い香りがしている。本当にここは男性の部屋なのだろうか?疑いたくなるくらい綺麗に片付けられていて、蒼真さんの几帳面さが伺えた。「あの、この階は1部屋しかないんですか?」何を話せばいいか迷ったあげく、つい気になることをズバリ聞いてしまった。「ああ」「すごいですね……。広くてびっくりしました」「このマンションはホワイトリバーの不動産だから」「えっ、そうなんですか?こんな素敵なマンションがご実家の持ち物なんてさすがですね」「この部屋の家賃を取るとしたら結構高いだろうな。外科医の給料では全然足りない」外科医のお給料がどれくらいなのか全く想像ができないけれど、蒼真さんはまだ3年目だから……「そうなんですね。でも、お医者さんのお給料でも全然足りないなら、私なんてこんな素敵なお部屋には一生住めないですね」笑いながら言ってはみたけれど、紛れもない現実に、少し残念な気持ちになる。「そうか?そんなこと、わからないだろ」「わ、わかりますよ。普通の看護師がこんな立派なマンションに住めるわけないです。蒼真さんと私は生きる世界が違いますから」少しムキになってしまったせいか、蒼真さんは少し黙ってしまった。「……人生なんて、数秒先のことは何もわからない」ぽつりとつぶやいた言葉と、真っ直ぐに見つめるその潤んだ瞳にドキッとした。「蒼真さん……?」「ここは、元々祖父と祖母が暮らしてた場所なんだ」

  • 情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る~新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます~   1 情熱的なあなたと夜明けを迎えて…

    ついにここまで来た。蒼真さんが一人暮らしをしているマンションに――かなり有名な建築家の設計らしく、きっと家賃も高いに違いない。こんな素敵で立派なマンションに、私なんかが足を踏み入れてもいいのだろうか。場違い感が半端ない。私は、フゥーっと大きな息を吐き、意を決して1階ロビーで蒼真さんの部屋の番号を押した。「はい」「あの……は、蓮見です」「上がって来て」「は、はい」オートロックが解除され、目の前の自動ドアが開く。そこを通り、奥のエレベーターで最上階へ。降りるとそこには部屋がひとつしかなく、蒼真さんが待っていてくれた。壁にもたれ、腕組みをしながら――「こ、こんにちは」かっこよ過ぎる……我が目をうたがいたくなる程に美しく、その立ち姿にため息が漏れる。白いシャツとブラックジーンズ。足の長さに改めて驚き、もはや人気雑誌のオシャレなモデルにしか見えない。ここは本当に「白川先生」の部屋なのか?私はどこか違う世界にでも迷い込んだのではないだろうか?「よく来たな、待ってた」体勢を変え、こちらに近寄ってくる蒼真さん。その圧倒的な存在感に思わず2、3歩後ずさる。「あっ、あの、本当に来て良かったんですか?こんな立派なマンションに私なんかが……」「もちろんだ。来てほしくなかったら絶対に呼ばない」「……あ、ありがとうございます」蒼真さんの甘いセリフに戸惑い過ぎて「ありがとうございます」なんて、意味不明なことを言ってしまった。月那にいろいろ言われ過ぎて、昨日からずっとドキドキが止まらない。会ってすぐの蒼真さんの一つ一つの言動に、すでに心が大きく揺れてしまう。きっと今の私は、かなり挙動不審に見えるだろう。「あの、言われたように買ってきました」私は、今夜の食事の材料をすぐ近くのスーパーで揃えた。高級志向のスーパーではあったけれど、蒼真さんに恥ずかしくないものをと、時間をかけて丁寧に選んだ。「悪かったな。ありがとう」蒼真さんは、そう言って大きめのマイバッグをサッと持ってくれた。こういうところがすごくジェントルマンだと思う。

  • 情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る~新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます~   6 私が本当に好きな人は誰?

    見つめあう2人がとっても素敵で……ただでさえ美人の月那が、今までで1番綺麗で可愛く見えた。「笹本さん、月那のこと絶対に幸せにして下さいね。もし泣かしたらこのマッサージ店に二度と来ませんからね」「うわっ、上得意様に来てもらえなくなったら困るしな。わかりました、月那のことは絶対に泣かしません!」「って、私が太一を泣かすかもだけどね~」「そうなんだよ~。月那は怖いから、俺が泣かされるかもなぁ。でも、その時は藍花ちゃんに助けてもらお」楽しく軽快なやり取りの2人を見ていたら、こっちまで幸せな気持ちになる。本当にお似合いのカップルだ。「俺達、絶対に幸せになるからさ。だから藍花ちゃんも必ず幸せになってくれよな。月那の大切な人が不幸になるのは嫌だからさ」筋肉いっぱいの笹本さんからの優しい言葉。そのギャップがちょっと可愛く見える。「ありがとうございます」「月那からちょっと聞いてるけど、今、藍花ちゃん、めちゃくちゃモテモテらしいね」「えっ、モテモテなんて、そんなことないです」月那がどんな風に私の恋愛話をしているのかわからないけれど、この言葉はかなり恥ずかしい。「絶対に良い男を捕まえるんだよ。藍花ちゃんみたいな良い女が妥協したらもったいないし、本当にこいつ!って思えるやつが現れるまでゆっくり待った方がいいよ」笹本さんが真剣な表情で言ってくれた。「良い女じゃないです。でも……ゆっくり待ってたら、このまま一生結婚できないかも知れません」「そんなことはないよ。藍花ちゃんは本当に可愛いんだから自信持った方がいいって」「そうだよ、藍花。本当に自信持たないと損だよ。太一の言う通り、あなたはめちゃくちゃ可愛いんだから」やはりなぜか月那に容姿を褒められるととても嬉しい。「2人に言われたら嬉しいけど……でも……」「でもじゃない!俺達がついてるから大丈夫!ちゃんと良い奴と出会って恋愛して結婚してほしい。俺達はずっとここで店やってるから、何かあったらいつでも飛び込んでくればいいよ」「そうだよ、いつでも来な」この安心感に溢れた優しい2人に勇気をもらえた気がする。明後日、蒼真さんと会って、改めてちゃんと考えようと思う。答えが出せるかはわからないけれど、でも何だか今は前向きになれている。この感情は間違いなく2人のおかげだ。月那……「笹本 月那」になっても、ず

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