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第8話

Penulis: 鈴木葵影
私たちは翌日、ようやく家に帰った。しかし、家には誰もいなかった。母は荷物とお金を持って、すべてを置いていった。残されたのは一枚のメモだけだった。

「今度こそ、何があっても帰らないから!」

私はそのメモを見て、心が冷たくなった。それは父に向けた手紙だった。

弟はまだ弱っていて、ベッドに横たわり、天井をじっと見つめていた。手は私の手をしっかりと握りしめていた。

「お姉ちゃん、僕たち、何か悪いことしたの?どうしてパパとママは僕たちを見捨てたの?」

私は答えられなかった。そっと顔を背け、涙を手で拭った。

弟は優しく小さな手で、私の目元を撫でてくれた。

「お姉ちゃん、僕、すぐに大きくなって、たくさんお金を稼ぐから。お姉ちゃんが泣いてるのは見たくないんだ」

私は思わず顔を布団に埋めてしまった。目がじんと痛くなり、すぐに布団が湿っていった。

手をぎゅっと握りしめた。彼らがいなくなったって、私たちは生きていけるんだ。
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