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第3話

もう絶望に飲まれそうになったその時、ついに監察部門の人がやって来た!

先頭に立つのが、私も知っている監査部の主任であることを確認して、やっと少しだけ心が落ち着いた。

「家族の方、あなたが通報されたんですか?詳しい状況を教えてください」

主任は真剣な顔で、淡々と公務的な口調で私に問いかけた。

その冷静な態度が、なぜか不思議と私には心強く感じられた。

「どうかお願いします!私の娘を助けてください!彼女はまだ生きてるんです。それなのに、この病院の副院長が臓器を他の患者に移植しようと......」

私が話し終える前に、姑が「バシンッ!」と平手打ちをしてきた。

「一体、何言ってんのよ!本当にあんた、お義父さんのキャリアを潰すつもり?」

そして、すぐに主任の方へ向き直ると、うって変わってにこやかな顔で言い放った。

「すみません、このお嫁さん、娘を失って取り乱してるんです。頭が混乱して、訳の分からないことばかり言ってまして......どうか、勘違いなさらないでくださいね。ここには何の問題もありませんから、お引き取りいただいて結構です」

けれど、山田主任は一切動じず、静かに毅然とした態度で鏡子に向かって告げた。

「あなたの行動は違法です。今すぐ手を放し、さらにこの方に暴力を加えるなら、我々は警察を呼ぶことも辞しません」

その一言で、姑は一気に青ざめて、慌てて私を放し、口を閉ざした。

その時、病院の院長がどこからか情報を聞きつけたのか、慌ててその場に駆けつけてきた。

「おやまあ、山田主任!どうしてご自身で現場にいらっしゃったんです?ご用命いただければ、部下に対応させましたのに......」

山田は淡々とした表情で、冷ややかに言い放った。

「私が来るしかないでしょう?この病院、なんと生きている患者から臓器を摘出しようとしていると聞きましたが!」

院長はその言葉を聞くと、顔色を青ざめさせ、一緒に来ていた職員に鋭い声で問い詰めた。

「まさか、うちの病院でそんなことがあったとは!?一体、誰がそんなことを......!すぐに関係者を呼び出しなさい!」

「それはここの副院長、鳳条安仁のことです。私の夫はすでに臓器提供に同意する書類にサインしています。もし手術が始まっていたら......」

私が言い終わらないうちに、院長は焦った様子で職員たちに叫んだ。

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