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第 593 話

Author: 水原信
白夜の表情は複雑だった。もし彼女が彼がしたことを知ったら、きっとそんなふうには言わないだろう。

彼は彼女の手さえ触れたくないのに、どうしてそんな不快なことを言うことができるだろうか。

白夜はもう拒否せず、彼女に任せて手を握らせた。

二人は静かにしばらく待っていた。海咲が手に持っているその数珠の血色がだんだんと濃くなっていくのを彼女は気づいた。彼女は再び尋ねた。「この珠、色が変わっていない?」

白夜は落ち着いた目で答えた。「そうか?」

海咲は珠を日光に当てて、赤みがさらに強くなったことを確認した。「この珠は長いことつけているから、色が沈んでいるのかと思ったけど、この赤み、少し増しているんじゃない
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