第 0500 話

その話を聞いて、海咲は無意識のうちに拳を握り締めて、目を逸らした。自分が勘違いしたと恐れた。「気になるから変わりたいでしょう。どうして私のことを気になるの？」

葉南洲は彼女を見て、「君はオレの妻だから」と言った。

海咲は軽く唇をすぼめて、食べずにマーラータンを箸でかき混ぜた。「離婚に同意したんだから、妻であることは理由として無理がある。しかも、いままで私のために変わることはなかったのに、今更変わるなんて」

州平は何かを考えているかのように彼女を見つめて、話を続けなかった。

海咲は彼の視線を感じたが、彼がぐずぐずして話さなかったので、彼女はそれ以上待たずに下を向いて、食事をし始めた。

「君を好き