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第 0285 話

海咲は小さくうなずいて答えた。「確かに、理にかなってるわ」

亜は続けた。「じゃあ、まずは州平がちゃんと約束を守れるかどうかを見てみましょう。それが無理なら、私が言った通りに一歩ずつ手続きを進めればいいの。とにかく、離婚さえできれば、あとは振り返らずにさっさと去るだけよ。何も心配することはないわ」

「分かった」

その時が来たら、また考えればいい。

州平は会社に向かっていた。

「海咲、コーヒーを淹れてくれ」

数多くの書類を処理した後、彼は少し疲れた様子で眉間をつまみながら、思わず口を開いてしまった。

しかし、その瞬間、州平はハッと気づいた。

海咲は今、会社にはいない。彼女は亜のところにいるのだ。

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