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第 0076 話

彼女はノックした。

「入れ!」州平の冷たい声がした。

海咲は入っていった。州平はパソコンを見ていた。最近はセレモニーの準備で忙しく、家に帰った後もまだ何かをしているようだった。

州平は顔を上げて彼女を一瞥した。

「何か用か?」

「明日は叶野グループの一年一度のイベントなので、参加しようと思います」と海咲は言った。

その言葉に州平の注意が引かれ、彼の目が彼女に向けられた。

「君はこういう場が好きではなかったはずだが」

彼女はこのようなイベントにはあまり参加しなかった。注目を浴びるのが嫌で、賑やかな場所も苦手だった。

以前は確かにそう思っていたが、今はそうも言っていられない。

海咲は笑顔で言った。
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