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第149話

二人はレストランに着いた後、松本若子は家の運転手に電話をかけ、戸籍簿を渡してすぐにおばあちゃんに届けてもらうように頼んだ。

そのレストランの雰囲気はとても良く、ステージでは誰かがピアノを弾いていた。美しい音楽に耳を傾けているうちに、松本若子は一瞬ぼんやりしてしまった。

「若子、子どもにどんな名前をつけるか、もう考えた?」

西也はできるだけ話題を探し、彼女と会話を続けようとした。彼女が静かになると、悲しいことを思い出してしまうのを避けるためだった。

「まだ考えてないわ」松本若子は微かに笑みを浮かべ、「男の子か女の子かも分からないし…」

「名前を両方準備しておかないとね」

「そうね」

「じゃあ、男の子と女の子、どっちが欲しい?」

「私にもわからないわ」松本若子は悲しげに言った。

「もし男の子だったら、藤沢修の性格を引き継いで、将来は女の子を傷つけるような男になったらどうする?」

「もし女の子だったら、私みたいに恋愛で傷つきやすかったら?誰が彼女を守ってくれるの?父親もいないし…」

突然、松本若子は不安になった。自分がシングルマザーになった後、彼女のお腹の中の子どもが大きくなったら、父親の愛を知らずに悪い子になってしまうのではないか?

あるいは、周りの人たちから指を指されるのではないか?

これらはすべて彼女がこれから直面しなければならない現実だ。彼女は子どもを産みたいという衝動に駆られていたが、子どものことも考えなければならなかった。この子が生まれた後、果たして幸せに過ごせるのだろうか?

たとえ彼女が子どもを愛していたとしても、この社会ではシングルマザーや親が揃っていない子どもに対して、色眼鏡で見られることが多い。

彼女は子どもを産むべきかどうかさえも考え始めた。もし子どもが苦しむことになるのなら、それは自分の罪にもなるのだ。

松本若子が緊張している様子を見て、遠藤西也は彼女が何を考えているかを察したようだった。彼はまるで心を見透かすような目をしていた。

「もし君が女の子を産んだとして、誰が彼女を守らないって言ったんだ?彼女には君という母親がいるだけじゃなくて…」

「他に誰がいるの?」松本若子は顔を上げて尋ねた。「まさか藤沢修のことを言っているの?彼にはこの子の存在を知らせるつもりはないわ。彼にはその資格がない」

「そういう意味じゃな
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