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第4話

沙緒里も我が家に携帯を探しに来たようだ。

「ベイビー、早く携帯を探して。彼女がまだ見つける前に全部削除しちゃおう」

「亮、見つかったって別に大したことないさ。私はもう彼女とあなたを共有するつもりはないよ。彼女とのあれこれを思い出すだけで、私も気持ち悪くてたまらない!」

「沙緒里、俺も彼女と親しくするつもりなんてない。安心して。今じゃあゆみの父親が会社の多くの仕事を俺に任せている。会社ではほぼ俺が指示を出しているんだ」

そう言いながら、亮は手を伸ばして沙緒里の胸に触れた。「もう少しの辛抱だ。あゆみが出産するとき、彼女を始末してやる。そしたら、俺は堂々と君と結婚できる。今はまだその時じゃない。今結婚したら、君が愛人だって言われるだろう。そんなこと、俺には耐えられないよ」

「亮、あなたって本当に素敵!あなたのその言葉があるだけで、私は待つことができるわ。絶対に聡に手を触れさせない」沙緒里は幸せに満ちた小さな女のように微笑んでいた。

亮はさすがの腕前だ。瞬く間に沙緒里を安心させた。

それ以上の会話は、私にはもう耳に入らなかった。オフィスで聡を見ていると、まるで彼の頭の上に不倫された夫という文字が見えるようだった……

聡が私を嫌っていたのも無理はない。だって彼は沙緒里の夫だったのだ。

沙緒里が同じオフィスにいる聡を避けて浮気するなんて、本当に才能のある女だ。

前世で聡が私の死にどう関与していたのか、気になるところだ。

ふと頭にひらめいた一つの考えが、私を躍らせた。

私は沙緒里から送られてきたベッド写真を、別のラインアカウントから聡に送りつけた。

そして、オフィスでこっそり聡の反応を観察することにした。

言ってみれば、裏で何かを進めるこの感覚、なんて気持ちがいいんだろう。

案の定、少しすると階段で聡が誰かと電話で喧嘩をしている声が聞こえてきた。電話の相手が沙緒里であることは、すぐにわかった。

沙緒里、聡、これはまだ始まりに過ぎないよ。焦らないで。

「妊娠している」という設定のおかげで、私は毎晩亮をあれこれ使ってこき使っていた。

「あなた、ジュースを絞ってきて」

「あなた、足湯を準備して」

「あなた、下のフルーツショップでドリアンが食べたいな」

亮は本当に我慢強い。夜中
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