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第7話

沙緒里のLINEを開いた。「沙緒里、言わなきゃいけないことがあるの。亮があなたを騙しているんじゃないかと思って。離婚前、私たちは一緒に健康診断を受けたんだけど、今日、結果を受け取ったら、亮がHIVに感染している可能性があるの」

沙緒里はLINEで怒りをぶつけてきた。「あゆみ、あなたは狂ってるの?亮がHIVに感染したなんて呪ってるの……」

「亮はそんな風に他の女と遊んだりしないよ。この狂った女は私と亮が仲良くするのが許せないのよ……」

「もし亮が感染してたら、あなたも逃げられないよ……」

そして最後のメッセージが来た。「あゆみ、本当に?あなたも検査結果が出たの?あなたも感染してるんじゃないの……」

私は一言だけ返した。「私の検査結果は大丈夫。早めに検査して、早く見つけて早く治療した方がいいよ」

数日後、雄太から連絡が来た。

「あゆみ、どうやって亮がHIVに感染したか知ったの?病院の検査結果が出たら、亮が本当に感染してた。沙緒里は大丈夫だって」

「亮は今、治療のために必死にお金を借りようとしている。彼の親戚は少ないから、彼にお金を貸してくれる人もほとんどいない。気を付けて、彼があなたに注意を向けるかもしれない」

雄太の忠告に感謝しながら、亮の考え方はいつも他と違うと思った。

2日後、家族でプーケットに行き、太陽とビーチを楽しんでいた。

その時になって、私は前世の悪夢が私から遠ざかり、心の中の不満や恨みも徐々に消えていくのを感じた。

亮や沙緒里のような人たちは私の生活から遠ざかり、もはや私にとっては、ただのドラマのワンシーンのように感じた。思い出すことがあっても、ただ見返すだけだ。

スマホに届いたニュースを見ながら、「三山市でHIVに感染した男性が、彼女が感染していないことに納得できず、強引に彼女と数回性的関係を持ったため、彼女が病人になった」という内容だった。

ニュースの下にはモザイクのかかった写真があったが、知っている人には亮と沙緒里だとすぐに分かった。

この時、私はもう亮や沙緒里に関心がなくなっていた。早く中村に2か月の休暇をお願いしなきゃ。まだ仕事に戻りたくないんだから。

数ヶ月後、亮に再会したとき、彼を全く認識できなかった。目が落ち窪み、痩せこけて、全身が骨のような状態になっていた。

以前、白いシャツを着て眼鏡をかけ、優雅だった
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