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第22話

著者: 新紅双喜
last update 最終更新日: 2024-11-27 10:15:13
もし田中刑事が、最初から誤った推理をしていたと知ったら、どんな表情を見せるだろう。

確かに、彼の推理の大半は正確だった。

ただ一つ、私を川村美鈴だと思い込んでいた点だけは違っていた。

たった一つの泣きぼくろだけで、何の裏付けもなく私を川村美鈴と断定するなんて、少々軽率だったのかもしれない。

でも、それが逆に私に利用できる隙を与えてくれた。

私は決して、田中刑事が思い込んでいたような弱い女ではなかったのだ。
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