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第2話

瑞紘のことを処理してから、私はすでに2日間眠っていなかった。

今は頭が張り裂けそうに痛み、目は血のように赤くなっている。

私は机の上にある金魚を見やった。輝は私の視線に気づき、嘲った。「晴子は愛情深い人だ。お前みたいな人にはわからないだろうな」

彼の言葉を聞いて、突然思い出した。2年前、私は小さな犬を身近にいさせたいと思って飼おうとした。

彼のその時の反応はどうだったのかというと、彼は苛立たしげに「瑞紘にはもうウサギがいるだろう。なんで犬を飼うんだよ、毛が多くて面倒くさいだろ」と舌打ちした。

犬を飼うのは面倒だけど、魚を飼うと愛情があると言われるんだな。

私は淡々と笑ってしまった。自分はもう忘れてしまったと思っていたのに、積み重ねられた思い出がこの瞬間に湧き上がってきた。

小泉が前に歩いてきて、私の肩に手を添えた。

心配そうに聞いてきた。「華那さん、大丈夫?」

私は彼女の言葉を聞き取れなかったが、彼女の首につけている宝石のネックレスを一目で見た。

私の瞳孔が収縮し、額が脈打つ。なぜなら、それは母が私に残してくれた唯一のものだったからだ。

手を伸ばして摘もうとすると、小泉は驚いて叫び声をあげた。

輝はすぐに私の腕を引っ張り、きつい声で言った。「華那!正気でいろ!」

私はゆっくりと頭を上げ、彼に一発ビンタを食らわせた。

輝の顔色が急に変わり、鋭く私を見つめた。一方、小泉は母鳥のように彼を後ろにかばった。

彼女は涙をこらえながら、心配そうで輝の叩かれて赤くなった頬を押さえて言った。「怒りがあるなら私に向けて。彼を叩かないで!」

私は必死に涙を押さえながら、彼女の首にかけられたネックレスを指差して言った。「それを取ってください」

小泉の手はためらいながらも首飾りに触れ、輝を悲しげな目で見つめた。

輝が私の手をはじき飛ばし、「お前にはなんの権利があってそれを渡せと言えるんだ」と言った。

私は彼との無駄な会話をもうしなくない。直接手を出して奪った。小泉は必死に首のネックレスを守っていた。

輝は私を押しのけて、私が倒れる瞬間に机の上にある小さな水槽に当たった。

一瞬で、小さな部屋にガラスが割れる音が響き渡った。私は破片の上に倒れ込み、血がガラスを赤く染め上げた。

私はその金魚と同じように乱雑で冷たい床に倒れ込み、同じように必死に呼吸しようとした。

次の瞬間、金魚は秦朗にとても丁寧に掬い上げられた。

晴子は涙を流しながらそれを見つめ、悲しそうな表情でまるで誰かが死んだかのように言った。「私の金魚、かわいそうに」

輝は心を痛めているような表情で彼女の肩を抱きしめ、私を見下ろしながら嫌悪の声で警備員を呼んだ。

私は破片だらけの地面に伏せていると、痛みを忘れて、神経質に笑ってしまった。

私は力を振り絞って起き上がり、命を欲する悪鬼のように、小泉の手に一口かぶりついた。

彼女は悲鳴を上げた後、輝は激怒して私にひどく平手打ちをした。

私は地面に倒れ込み、横を向いて血を吐き出した。それ私のものか、それとも小泉のものか、区別がつかなかった。

私の心の中は快感でいっぱいだったが、結局、駆けつけてきた警備員によって強制的に外に連れ出されてしまった。

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