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第274話

その態度に、南雲華恋と小林水子は同時に眉をひそめた。

小林水子は南雲華恋の耳元で小声で言った。「こんな大騒ぎ、まさかイギリスの女王でも来たの?」

店長が音に気づいて出てくると、多くの警備員を見て、急いで尋ねた。「皆さんは?」

「我々は瀬川先生の警備員だ。今日、瀬川先生がウェディングドレスを試着しに来るのだ。お前が店長か?」警備員は鼻で店長を見下すように言った。「さっさと関係のない人を追い出せ。もし情報が漏れたら、この店も営業できなくなる!」

店長は尋ねた。「瀬川先生、もしかして瀬川結愛ですか?」

「その通り」

瀬川結愛だと聞いて、店長も他のことを気にせず、すぐに店員に客を追い出すように指示した。

この時、大半の人は昼食を取っていて、店内には南雲華恋と小林水子の他に、もう一人の客しかいなかった。

その客は瀬川結愛が来ると聞くと、何も言わずに立ち去った。

しかし小林水子は少し納得がいかない様子で言った。「この店は瀬川結愛のものじゃないのに、彼女が来たからって私たちが出なきゃならないなんて!」

店員は困った表情で言った。「瀬川先生は賀茂時也様の叔母さんですので、私たちは彼女を無下にはできません。このお客さん、どうかご理解ください」

南雲華恋は本当にこの店でウェディングドレスを買うつもりではなかったので、この言葉を聞いて小林水子に言った。「皆が働いているのは大変なんだから、水子、彼らを困らせないで、行こう」

小林水子は不満を抱いていたが、理不尽ではなかったので、南雲華恋を引っ張って外に出た。「この瀬川結愛、ますます調子に乗ってる。私は彼女が......」

言いかけたところで、彼女は向かってくる瀬川結愛と小清水夏美とぶつかりそうになった。

小清水夏美は南雲華恋を見て、顔の笑みが瞬時に消え、手を上げて南雲華恋の顔を叩こうとした。

幸い、小林水子はすでに見ていて、急いで南雲華恋を押しのけた。

その一発は小林水子の腕に落ちた。

元々白い腕が、瞬時に真っ赤になった。

南雲華恋の顔色が一変し、小清水夏美が反応する前に、一発小清水夏美の顔を叩いた。

小清水夏美は顔を傾けて打たれ、しばらく反応がなかったが、まるで泣き虫のように飛びかかってきた。「お前、私を叩いたの!?」

一時、ウェディングドレス店の入り口は騒がしくなった。

瀬川結愛は撮影されるのが
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