命を拾った俺は、もう妻を愛さないと決めた
娘の誕生日の日、俺は帰り道で強盗に襲われた。
妻に電話をかけたが、なぜか着信拒否されていた。
車から引きずり下ろされ、何十回もナイフで切りつけられた俺は、血まみれのまま草むらに捨てられた。
首は切り裂かれ、内臓も抉り出されていた。
奴らは俺がすぐに死ぬと思ったのだろう。目の前で仲間の名前を叫び、俺の車を口笛を吹きながら乗り去っていった。
俺は自分の首を支えながら、内臓を抱えて、必死に道の脇へと這いずり出た。助けを求めたかった。
救急車に運び込まれる直前、スマホで妻のSNSを確認したら、そこには秘書の恭一と一緒に娘の誕生日を祝う幸せそうな写真が投稿されていた。
退院後、俺が最初にしたことは、離婚を切り出すことだった。
9 viewsCompleted