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Lahat ng Kabanata ng 転生吸血姫: Kabanata 21 - Kabanata 23

23 Kabanata

ep21 氷のリング

「おっちゃん。これはなんだ?」不意にリザレリスが、ある品物を手に取った。それは不思議な薄青色の石を添えたストーンリングだった。「おっ、嬢ちゃん。見る目があるじゃねえか」「なんか特別な指輪なのか?」「それは魔法の指輪だ」「魔法の?」「そうだ」店主のオヤジはニヤリとする。「なかなか手に入らねーんだぜ?」「これでなにができるんだ?」「それは氷のリング。つまり、そいつを使えば強力な氷魔法が使えるってわけだ」「マジか!」「買ってくか?」「欲しい欲しい!」「でも嬢ちゃんは魔法を使えんのか?そんな感じには見えねえが」「えっ、誰でもいいってわけじゃないの?」「魔力持ちの魔法が使える奴じゃないと意味ないんだよそいつは」「魔法ならエミルが使えるぞ」リザレリスはエミルへ視線を投げる。「ほう。にーちゃんは魔法が使えんのか?」「多少は、心得はありますが」エミルは控えめに答えた。そこへリザレリスが即ツッコむ。「多少なんてもんじゃねーじゃん!おっちゃん、こいつはマジでスゲーんだぜ?」「ずいぶんと若いのに、にーちゃんは魔導師なのか?」「まあ、最低限の訓練は受けました」「なあエミル。これ買ってさ、氷の魔法をわたしに見せてくれよ」リザレリスは笑って言ったが、本音だった。二日前にエミルの魔法による凄まじい動きを見せられてから、魔法に興味を持ち始めていたのだ。「かしこまりました。リザさまがご所望ならば」王女殿下が喜ぶならばと、エミルは承諾した。そうしてエミルが店主と売買の手続きを開始しようとした時だった。「おっ、なんだよ。ここもシケてんなぁ」と突然、他の客が店に入ってきた。こんな雑貨屋には到底ふさわしくない、やけにスラっとした背の高い黒髪の美男子だった。身なりも実にきちんとしていて、どこかの貴族の子息かと思われる。歳はエミルよりもやや上だろうか。 「おい店主」黒髪の美男子は店主のオヤジを見つけるなりズカズカと三人へ近づいてきた。「お客さん。申し訳ねえけど今はこっちのお客さんの相手をしててね」店主はエミルから代金を受け取るところだった。「おっ、それって、魔法のリングか?」男は会計カウンターに置かれた指輪に視線を落とした。「よくわかったな。今からこちらのお二人さんが買ってくんだ」「その石の感じだと、氷のリングだろ」「あんた、魔導師なのか?
last updateHuling Na-update : 2025-04-16
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ep22 美男兄弟

「なんだか楽しそうだね〜」金髪の美男子はニコニコしながらリザレリスたちに歩み寄ってきた。「えっ、おまえの兄貴なの?」リザレリスが訊ねると、黒髪の美男子はうんざりした顔で頷いた。「ああそうだよ」「そうです。僕は彼の兄です。素敵なお嬢さま」金髪の美男子はリザレリスに上品な笑顔を向けた。 「そ、そうなんだ」思わずリザレリスは彼の顔に見入ってしまう。黒髪の男に負けず劣らずの美男子。だがこちらの男の方はもっと優雅な気品があり、自然な余裕に満ちあふれている。細長いまつ毛の間からのぞく怜悧な目には、アンティークゴールドの瞳が上品な輝きを放っている。まるでどこぞの超イケメン坊っちゃんだ。これは普通の女だったらソッコーで落ちるだろうなと、リザレリスは前世の人格から本気で思った。「ん?僕の顔になにかついているのかな?」不意に金髪の美男子がリザレリスの顔を覗き込んできた。「い、いや、なんでもない」リザレリスは後ず
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ep23 城に戻ると(1)

【5】城に戻るなり、リザレリスはエミルを連れてディリアスの執務室に押しかけた。先ほど考えたことを伝えるためだ。「本当に、よろしいのですか?」王女の提言を受け、ディリアスは一驚し、確認を求めた。「だって別に、ここまで贅沢しなくたって生きていけんだろ?」リザレリスはふんと鼻を鳴らす。「承知しました。ではそのようにいたします。国民の心がよくおわかりになる、親愛なる王女殿下」ディリアスは深々とお辞儀をした。それは忠誠心だけではない、心の底からの感謝の念がこもっていた。さらにその感謝から、さらなる忠誠が形成されていくようだった。リザレリスの斜め後ろに控えるエミルも、ディリアスと同様の想いでお辞儀をしていた。「そ、そこまで言われることでもねーし」何となく気恥ずかしくなったリザレリスは腕組みして視線を逸らした。彼女の提言とは何だったのか?それは城での暮らし向きについてのことだった。ここまでの贅沢は必要ないし、なんだったら一般国民と同じぐらいの普通の生活でもいい。リザレリスはそう伝えたのだ。「あっ、でもやっぱりご飯は、それなりに美味しいものは食べたいかな〜」言ってから急に惜しくなったのか、リザレリスは頭をポリポリ掻きながら潔くないことも口にした。彼女のその決まりきらない感じは、むしろディリアスとエミルの好感の笑いを誘った。そんな時だった。突然あわただしく部屋のドアがノックされた。何かと思いディリアスは思考を巡らせるが、すぐにエミルに目配せをしてドアを開けさせた。「ディリアス公!」入ってきたのは小太りの重臣、ドリーブとその部下だった。「なんだ、騒がしいな。一体どうした?」ディリアスが応じるとドリーブは、彼の前に立っている若い女に気づいて怪訝な目を向けた。女はボンネット帽子を脱いで反応する。王女の可憐な顔が露わになった。「なんだよ」「こ、これは、王女殿下!」「いいからいいから。それよりなんかあったの?「そ、それが、実は......」と部下の方が言いさした時。「まったくなぜそんな重要な情報を掴めなかったんだ!」ドリーブが部下を怒鳴りつけた。「も、申し訳ございません」「使えないヤツだ。この馬鹿が。よりにもよってなぜこのタイミングで......くそっ!」ドリーブは王女の面前で口汚く部下を罵しった。明らかに何かがあったことを示している。リ
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