次の日の事だった。「ヴァン伯爵が?」 いつものように 部屋に訪ねて来た黒の王妃アリアンの為の演奏するエリンシア羽琴の演奏を終えてからの会話の中で 王妃アリアンが、それは少し心配そうに話すのだった。「ええ、そうなのよ、エリンシア姫、従弟のヴァン伯爵の事なのよ、聞いてくださる?」「ヴァン伯爵と全く連絡が取れなくて…」「私の実家のある地域で取れる珍しい果実を送ってもらおうとしたのだけれど…彼はどうやら、何処かに出かけたらしくて、それがひと月にもなるの」ため息一つ「こんなに長く連絡が取れないなんて、しかも他のヴァン家の家族、妻に子供達まで、みんな、何処に行ったのやら」「まぁ、そんな事」エリンシア姫は不思議そうな表情をして、王妃アリアンに答えるのだった。「実家の方も、まったくね、此処しばらく、様子が変だわ」また、軽くため息をつく王妃アリアン「それは、とても、ご心配ですね、アリアン王妃様」「そうね…どうしたものかしらね」「あら、そろそろ他の貴族の面会する約束の時間だわ ごめんなさ、では、またねエリンシア姫今日も素敵な演奏だったわ」「はい、王妃様、ありがとうございます」微笑してエリンシア姫は穏やかに答えた。
Huling Na-update : 2025-04-29 Magbasa pa