昔・・白の国の王族に 羽琴の姫君と呼ばれる美しい姫がいた・・。 金の髪に 青と薄紫のオッドアイの瞳の姫その昔 羽琴の姫君 エリンシアナは 白の国の統治者である 白の宗主に願い出でて こう言った「どうぞ 私を… エイル、エルトニア姫の代わりに 黒の国へ行かせてくださいませ」「エルトニアはまだ幼い子供 白の王族であれば 誰でも構わないはず あの子は大事な私の姉の忘れ形見の子供」 「お願いです!どうか願いを聞き届けてくださいませ」白の宗主は しばらく沈黙していたが やがて口を開いた「そなたは私の側室の一人 誰よりも素晴らしいあの扱いの難しい羽琴を奏でる者 そうそう 手放すと・・?」「宗主さま・・どうか・・」「自分の子供は可愛いか?」 ハッとして、目を見開いて、白の宗主を見るエリンシア姫「私が知らぬとでも、思っていたか?羽琴の姫君よ」「そなたが私の傍に、来る前に 跡継ぎ争いで 私が殺した私の弟が」 「そなたと恋人同士であった事など、前から知っていた」「密かに産んだ子供を子供がいなかった姉夫婦に託して 私に乞われるまま、いやいやながら私の側室になった」「同じ瞳 オッドアイの瞳、さすがは親子だ」 「まあ、良い、幾度抱いても、そなたは私に心を決して開かぬ いとまをやろう、何処へなりとも行くがいい」「だが、黒の国で何が起ころうとも、私はそなたを助けてやれぬぞ、良いな!」「はい、仰せのままに…この国の支配者、白の宗主様」
Last Updated : 2025-02-18 Read more