「お義母さん、ちょっとトイレ行ってきます。子供を見ていてくださいね」私は赤ちゃんにおしゃぶりを咥えさせてあやしながら、姑の腕に子どもを託した。姑は一週間前にこの家にやって来たばかりだ。あまり接する機会は多くないものの、私たち嫁姑の関係は程よく距離がありつつも円満だった。彼女はとても美しい人だ。50代半ばだというのに、いまだにその色香を保ち、端正な佇まいからすれば40代にしか見えないほどだ。私は安心してその場を離れた。だが、戻ってきたとき、私の瞳孔が揺れるような光景が目に飛び込んできた。姑は片方の手で服をまくり上げ、もう片方の手で赤ちゃんを抱き寄せて、乳首を赤ちゃんの口元へ近づけていたのだ。私が出かける前に赤ちゃんに咥えさせたおしゃぶりは外され、脇に放り投げられていた。あまりに常識外れの光景に、私は喉を詰まらせ、声も出せずに立ち尽くしていた。私の強烈な視線に気付いた姑は、こちらに顔を向けた。さっきまでの穏やかで優しい表情が一変し、嫌悪と皮肉に満ちた顔つきになった。「何見てるのよ?!これは私と俊明との愛の結晶よ!羨ましいなら、あなたには無理ね!」姑の態度が急変したことも驚きだったが、私はそれ以上に彼女の口から飛び出した言葉に注意を奪われていた。俊明……愛……結晶。姑の何食わぬ顔で放った言葉は、私に自分の立場を疑わせるほどだった。その言葉の主人公は私なのか、それとも姑なのか。
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