「美咲、車が壊れたから、今日時間があれば修理工場に持って行ってくれないか?」 家事をしている最中、夫の直樹からLINEでメッセージが届いた。 「分かったわ、じゃあ少し帰りが遅くなるかもね」 車の鍵を手に取り、家から一番近い自動車修理工場に向かうことにした。 「すみません、どなたかいらっしゃいますか?」 「エンジンに少し問題があって、点検と修理をお願いしたいんですが」 返事がなかった。 暑さのせいで、だんだんと待ちくたびれてきて、つい小声で愚痴をこぼしてしまった。 「誰もいないのに、どうして店を開けてるのよ......」「誰もいないって、俺がいるじゃないか?」 帰ろうとしたその時、背後から低く力強い声が聞こえた。 慌てて振り返ったが、そこには誰もいなかった。 「こっちだよ」 別の事故車の下から、汚れた作業着を着たたくましい男が姿を現した。 その瞬間、私は顔が赤くなるのを感じた。 それは、目の前の修理工が放つ圧倒的なフェロモンのせいだった。 若くてハンサムなその彼は、作業しやすいようにか、上半身にピッタリとした白いタンクトップを着ており、そのおかげで筋肉のラインがくっきりと浮かび上がっていた。 彼の褐色の肌を伝う汗が胸筋に滴り落ち、タンクトップは胸の部分が大きく濡れていて、どこか禁断の雰囲気を漂わせている。 彼はミネラルウォーターをひねって開け、一気にゴクゴクと飲み干した。喉仏が水を飲む動きに合わせて上下に揺れる様子が目に入った。 さらに視線を下に移すと、汚れたグレーのショートパンツ越しにも、鍛え上げられた筋肉質な足がはっきりと分かる。膨らんだ部分が目立っており、ベッドでも相当な腕前だろうと感じさせる姿だった。 少なくとも、夫の直樹の2倍は凄そうだ。 あまりにも暑いせいか、それとも直樹が長い間私を満足させてくれていないせいか、汚れた自動車整備士を前にして、なぜか血が騒いでいる自分に気づいた。 そんなことを考えていたら、突然、体中に甘く痺れるような感覚が走り、顔が赤くなってしまい、車のそばに立ちながら思わず両足を閉じた。 「加藤さん、エンジンのラジエーターに少し問題があるようです。まずは点検をしておきますね」 「あっ、はい、お願いしま
Huling Na-update : 2024-09-30 Magbasa pa