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第16話

著者: リリ
last update 最終更新日: 2024-12-25 11:19:27
神谷先生は私の感情の起伏が大きすぎて、病状が悪化していると言った。

静かな場所で新鮮な空気を吸うことを勧められた。

父は頷き、しばらくの間、南郷で心身を養わせることを決めた。

その間に、私は林原との離婚手続きを全て済ませた。

南風画廊の株式20%は贈与だったため、取り戻すことはできなかった。

彼は聡を引き取ることを要求した。

連れて行けばいい、早く連れて行けばいい。

どうせ私の実子ではないのだから。

出発前夜、父に書斎に呼ばれた。

父は私をじっと見つめ、長い沈黙の後で言った。「麗子、この何年もの間、辛い思いをさせてしまったね」

私は首を振った。「お父さん、私は大丈夫です」

前世では周年記念式典の後、父は奔走して、ついに私を別の名匠の弟子にしてくれた。

その後、父は重病に倒れ、寝たきりになってしまった。

父は私が自分の持ち株20%を全て林原に譲ったことを知ると、

自分の手元にある60%の株式を私に残し、

私を南風画廊の新しい責任者にした。

だからこそ、林原と優子は恥じ入り、怒りに任せて私の個展で私を死に追いやろうとしたのだ。

私は眉をひそめ、何かを思い出した。

父はいつも健康だったのに、前世ではどうして突然病気になったのだろう?

私は切迫した様子で言った。

「お父さん、必ず体に気を付けてください。私が戻ってきたら......」

父は私の頭を撫でながら、慈しむように言った。

「安心しなさい。南郷はいい所だよ。父さんも昔そこで暮らしていたんだ」

「そこには、父さんの大切な人がいるんだよ」
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