第0397話

翌日、どのニュースも輝明と嬌の結婚話で溢れていた。

天河はニュースを見ながら頭を抱え、「あのクズ男め！」と怒りを露わにした。

「なんでそんなに怒るの？私は全然気にしてないわ」綿はソファに座り、のんびりとポテトチップスを食べながら答えた。

「少しは気にしろ！」天河は綿の頭を軽く叩いた。

「お前たちの離婚期はあと何日だ？」天河は綿に尋ねた。

綿はスマホを開いて確認し、「クルーズパーティーの前日だよ」と答えた。

「ちょうどいいじゃないか！クルーズパーティーの日に存分に楽しめるな！」天河は膝を叩いて喜んだ。

綿は笑って何も言わず、雅彦からのメッセージを確認した。

祖父のために探していた柏花草が見つからないまま何日も過ぎている。もしかして、M国にはもう存在しないのか？

「そういえば、おばあちゃんのSH2Nの研究はどうなってるの？」

SH2Nは脳死や植物状態の患者向けに開発された特別な薬剤で、10年前におばあちゃんが研究チームを組織して以来、日々研究を続けている。しかし、進展はなかなか見られない。

「いくら投資したの？」綿は天河に尋ねた。

「お前の祖父が現役の時に200億円を投資して、その後俺がグループを引き継いでから、さらに10億円を追加した」天河は苦笑いを浮かべた。

「200億円？お祖父さん、ほんとにお祖母さんを大事にしてるんだね」綿は頬杖をついて、羨ましそうに呟いた。

「200億円で大事にしてると言えるのか？お前の祖母が若い頃、どれだけ祖父さんのお金を浪費したか、数え切れんほどだぞ！研究なんて、本当に金を燃やすようなものだ！」天河は頭を振り、嘆いた。

綿はただ下を向いて、羨望の眼差しを向けるばかりだった。自分に言えることはそれくらいしかなかった。

人生で、愛されて感情が安定したパートナーを見つけることが、どれほど難しいことか。

綿がスマホを見ていると、病院の同僚たちからメッセージが次々と送られてきた。

同僚A「昨日の夜、高杉社長が陸川嬌と結婚すると約束したみたいよ。今日は高杉家の人たちが病院に来て、陸川嬌を見舞ったらしい。二人、本当に結婚するんじゃない？」

同僚B「でも、高杉社長の離婚は終わったの？」

同僚C「昨日の夜、あれって結婚を迫られてたように見えたよね」

同僚A「でも、高杉輝明が陸川嬌を好きじゃなければ、彼女がどうなろうと