LOGINShare
第9話
Last Updated:
2024-12-12 10:27:38Related chapters
美容ブロガーの大敗北 第1話
私の従妹はブロガーで、主にメイクで人を変えてフォロワーを増やしている。家族の集まりでは、いつも自分のインフルエンサーとしての活動を話していて、何度かライブ配信をしている時に私たちをスマホのカメラに映すこともあった。私はその行動がとても嫌いで、何度も注意したことがあるが、彼女は一向に気にせず、私たちに「私のライブに出演するのは、みんなにとって光栄なことだよ」と言っていた。幸いにも、私たちは遠い親戚で、家族の集まりでしか顔を合わせない。しかし、私はまさか、彼女が目立つために、祖母の葬式という大切な場面で冗談を言うとは思わなかった。祖母はとても優しい人で、私たち孫たちを大切にしてくれた。祖母が亡くなったと聞いて、私はとても悲しかったし、みんなもすぐに帰ってきた。祖母は伝統的な人で、生前にすでに後事を決めていた。火葬は望まず、祖父と一緒に故郷で葬られることを望んでいた。しかし、その最後の夜、大きな音が響いた。その夜は叔母一家がお通夜をしていたはずだが、私は安置室に駆けつけたとき、真っ暗だった。私は震えながらライトをつけ、そして一生忘れられない光景を目にした。安置室の中央、祖母の遺体が入っている棺が半分開かれていた。従妹、浅野楽は腰をかがめ、力を入れて棺の蓋をさらに開けていた。私は全身が凍るような感覚を覚え、怒りが頂点に達した。私は彼女を突き飛ばし、「何してるんだ！」と叫んだ。浅野楽は驚き、私だと分かると文句を言った。「こんな夜に大声を出してどうするの？ここは安置室だよ、何か来るかもしれないでしょ」私は開かれた棺の蓋を指さし、震えながら言った。「棺は勝手に開けちゃダメだよ！こんなことをしたら、どうやって故人を安らかに送れるんだ！」彼女はまるで聞いたこともないような笑いを浮かべ、スマホを手に取り、楽しそうに言った。「みんな、わかる？もう何の時代だよ、まだこんな迷信を信じてるなんて、学校で何を学んだの？」「それが信じるか信じないかの問題じゃない。人が亡くなったら尊重するべきだよ。あなたは目立つためにライブしてるだけじゃないか！」「そんな言い方しないでよ、何が目立つためだって？私がおばあちゃんを美しく送ってあげたかっただけで、何が悪いの？おばあちゃんだってきっと最後に美しくなりたかったかもしれないし、それに
Last Updated : 2024-12-12美容ブロガーの大敗北 第2話
私はとうとう我慢できなくなり、浅野楽の携帯を奪い取った。浅野楽は急いで駆け寄り、携帯を奪い返そうとした。「何してるの、私は今ライブしてるのよ！これじゃフォロワーたちが不機嫌になっちゃう！」「じゃあ、あなたが小さい頃からずっとお世話してきたおばあちゃんより、あなたのフォロワーたちの方が大事なの？」私たちの言い争いは最終的にみんなを引き寄せた。いくつかの伯父たちは棺が開けられているのを見て、気を失いそうになった。心臓を押さえながら、「誰がこんなことをしたんだ？」と聞いた。浅野楽は事態が大きくなったことに気づき、意図的に私をちらっと見た。叔母は私を叱ろうとしたが、母が止めた。母は浅野楽の背後にあるライトとライブ道具を指差して言った。「うちの娘はそんなことしないわ」みんなが浅野楽に注目する中、浅野楽は突然、大声で泣き始めた。「ただ化粧をしただけで、そんな大げさに言わないでよ！おばあちゃんは何も言ってないでしょ、みんなそんなに偽善者ぶらなくていいじゃない！」私は冷笑した。「おばあちゃんがもし話せるなら、最初にあなたを連れて行くのはあなただろうね」叔母は納得いかない様子で、「言うならちゃんと言いなさい、呪いなんて言うな！この子、見た目は優しそうに見えるけど、まさに悪女だ」浅野楽には両親がいるので、彼女は強気になった。結局、叔父たちは故人の安らかな眠りのために、この件は水に流すことにし、浅野楽に軽く注意しただけだ。これが浅野楽に調子に乗らせることになった。私はモデルをしていて、従妹よりも知名度が高い。彼女は何度も私にメイクしてくれと言ってきた。しかし、彼女のメイクは一貫して同じスタイルで、個性がなく、会社の要求するモデルのイメージを守るため、いつも遠回しに断っていた。しかも、おばあちゃんの件があったので、今は彼女と関わりたくなかった。だが、彼女はしつこく近づいてきた。少し後、浅野楽が、葬儀での自分の振る舞いがいかに間違っていたかを痛感し、私たちに謝りに来ると言った。私は会いたくなかったが、両親が「親戚だから関係を悪化させたくない」と言ったので、仕方なく彼女に会うことにした。浅野楽は過剰に熱心で、家に入るとすぐに家族の話を始めた。そして、非常に誠実に謝罪した。「でも、姉ちゃんが私を許
Last Updated : 2024-12-12美容ブロガーの大敗北 第3話
浅野楽を断った後、私はなんとなく胸騒ぎを覚えていた。あの様子からして、そう簡単に諦める人ではなさそうだ。だが、最近の彼女は意外と大人しく、ライブ配信すらほとんど行っていない。トイレに行くにも配信したがるような彼女にしては、これは珍しいことだ。もっとも、私自身仕事が忙しく、彼女が何を企んでいるかを気にする余裕もなかった。その日、ようやく残業を終え、家に帰ってきた私は、両親が従兄の結婚式に出かけているため、一人きりだった。シャワーを浴びて休もうと思い、服を脱ぎかけたその時、玄関の方で「ガチャガチャ」という音がした。誰かが鍵をいじっているようだ。瞬時に心臓が凍りついた。両親が帰ってくるには早すぎるし、彼らが帰宅する際は必ずドアをノックする。脳裏をよぎるのは、これまで見聞きした数々の犯罪事件の記憶。私はいつもシャワーを浴びる時、携帯を持ち込まず、服も浴室の外に置いている。この状況で外に出て助けを求めても、間に合わないどころか、不審者と鉢合わせる可能性が高い。息を潜めて音を聞いていると、突然小さな女の声が聞こえてきた。「おかしいな。監視カメラでは浴室に入るのを確認したのに、水の音が聞こえないね」浅野楽の声だ！彼女が「監視カメラ」と言った！まさか私の家に監視カメラを仕掛けたのか？！信じがたい。 人間ここまで恥知らずになれるものなのか？彼女が法律を無視したのなら、こちらも道徳を捨てよう。私は彼女の足音がリビングを徘徊するのを聞き、シャワーをあえて流して気配を消した。その間に浴衣を手に取り、自分に巻き付け、トイレ用のラバーカップを持って浴室の死角に隠れた。我が家の浴室にはちょうど一人が隠れられる程度の隙間があり、そこに身を潜めると、外からは見えないようになっている。この隙間が役に立つ日が来るとは思わなかった。私は彼女が一体何を企んでいるのか、この目で確かめてやろうと思った。浴室のドアがそっと開き、浅野楽がスマホを掲げて興奮気味に言った。「言っておくよ、野上さん！私の姉ってモデルなんだよ。その体つき、私なんかよりずっとスタイルいいんだから！ 野上さんに一目見せるために、私、結構なお金をかけてるんだから、今日は大額ギフト送ってよね！」 「ふざけるなよ、どこにも誰もいねぇじゃねぇ
Last Updated : 2024-12-12美容ブロガーの大敗北 第4話
私は家の中で見つけた監視カメラを思い出した。それは浅野楽が以前、私に「ちょっと預かってほしい」と言って残していったものだ。あれこれ考えたが、どうしてもこのままでは気が済まない。彼女とは疎遠な関係ではあったが、特に大きな確執があったわけではない。ただ一度、彼女の頼みを断っただけで、こんな仕打ちを受けるとは。もしあの時、物音に気づかなかったら、もし浴室に隠れる場所がなかったら、今頃私はきっと世間の笑い者になっていた。同じ女性でありながら、彼女は男を喜ばせるために私を貶めようとしたのだ。私は何か行動をとらなければならない。彼女に思い知らせる必要がある。私を敵に回した代償がどれほど大きいかということを。まず、彼女のライブ配信に潜入し、数日間様子を探った。彼女に頻繁にギフトを送る何人のフォロワーを見つけた。その中でもランキング一位の男性が、あの日「私の入浴姿」を見たがっていた人だ。浅野楽はその男と個人的に連絡を取っており、その男は彼女にエロティックなことをさせたいと思っていた。だが、彼女自身はそれを嫌がり、かといって金づるを失いたくないで、代わりに私を利用する計画を立てたのだ。その日、男が見られなかったことで、彼は激怒し、浅野楽は機嫌を取るのに必死だったようだ。結局、彼をなだめて再びギフトを送らせたらしい。ランキング一位の男以外にも、浅野楽は他のプラットフォームで複数の裕福な男性たちと関係を持っていた。しかし、どうやら彼らはお互いの存在を知らないらしい。これは都合が良い。私は彼ら数人に個別に連絡を取り、事の経緯を詳しく説明した上で、一つのグループにまとめた。あとは彼らがどう動くかに任せた。彼らの行動力には一切の心配がいらない。数日後、予想通り浅野楽から電話がかかってきた。「浅野麗！あんたがチクったんでしょ！？なんでこんなことするのよ！彼たちが私を気に入るのは私の実力でしょ？嫉妬するなら自分で稼げばいいのよ！どうして私の稼ぎを邪魔するのよ！絶対に許さないから！」彼女が怒りに任せて叫ぶ声を聞きながら、私は電話を切った。彼女が動揺する姿を想像すると、なんとも言えない快感を覚えた。浅野楽は数人の裕福なフォロワーを失い、配信を続けることができなくなったようだ。彼女は家で物を壊して暴れ回った。両親から聞いた話
Last Updated : 2024-12-12美容ブロガーの大敗北 第5話
モデルとして、撮影後の未使用の写真は通常破棄され、流出すれば個人のイメージに悪影響を与える。破棄を担当していたのは私のアシスタントだ。彼女は少し前に実家に帰ると言って休暇を取ったままで、まだ戻っていない。私のスタッフの中で、彼女だけが画像編集に熟練していた。私はスタッフには寛容に接してきたが、このアシスタントは以前、顧客との契約を失敗させたことがあり、その際に少し叱ったことがある。あの時、彼女に反省してもらうために言ったことだったが、裏では私が彼女のために補償してあげた。しかし、まさか彼女が私に恨みを抱き、浅野楽と手を組んで私を追い詰めるとは思ってもみなかった。だが、こんなことも、元の写真を見つければすぐに真実は明らかになる。だが、私は彼女たちの憎しみを甘く見ていた。彼女たちは私の未使用の写真をすべて破棄し、私に逃げ道を一切残さなかった。私が浅野楽に会いに行った時、彼女はちょうどその写真をネットに公開しようとしていた。「その写真、門田偉に送ったのはあなたでしょ？」彼女は無邪気な顔をしていたが、その目には明らかに他人の不幸を楽しんでいる様子が見え隠れしていた。「何言ってるの？意味が分からない」「もうやめて。全部分かってるから」「もし送ったとして、どうしたの？あなたが私をあんな風にしたんだから、私はただフォロワーに見せたかっただけよ。それなのにあなたが私をあんなにひどい目に合わせた！だから、あなたの婚約者にあなたがどんな人間か見せるしかないじゃない」「でも、あなたが知っている通り、それらの写真は本物じゃない」「それがどうしたの？オリジナルはもう破棄したわ。彼らはそれを本物だと思ってるだけよ」「本当にそう思ってるの？」「もちろん」私は机の上に数枚の写真を放り投げた。それらこそが本当の未使用の写真だ。浅野楽は信じられないという顔をして、「どうして？私は確かに見ていたわ、彼女がそれを破棄するのを！」私は腕を組みながら彼女がそれらの写真を引き裂くのを見ていた。「残念だけど、私はちょっとナルシストだから、会社に加えて、自分でもバックアップを取る習慣があるの。好きに引き裂いていいけど、私のパソコンにはもっとたくさんあるから。それに、人のヌード写真を加工して拡散することも、私はあなたを刑務
Last Updated : 2024-12-12美容ブロガーの大敗北 第6話
門田偉がいつ浅野楽と関係を持ったのか、そして彼女のために私を騙すなんて信じられない。私は彼にやんわりと尋ねたが、彼はまるで気にも留めず、軽く頷いただけだ。「僕が君のためにサインしたからだよ。結局、親戚だし、彼女もそんなに悪いことはしていないから、事を荒立てるのはよくないと思って」私の胸に怒りが込み上げてきた。あのとき、私がヌード写真を加工されたとき、彼は一度も私の味方をしてくれなかった。今、犯人が捕まったというのに、彼は浅野楽をかばおうとしている。私は彼の婚約者なのに！「悪いことしてない？もし私があの写真のバックアップを見つけていなかったら、今頃私たちの結婚は終わっていたわ！」「うるさいな。母さんは最初からこの結婚に反対してたんだ。君が何もしていなければ、そんなことにならなかっただろう。君があんな仕事してるから、写真を加工されたんだろ？母さんだって、君に対して面目を失っているんだ」「私は一体どんな仕事をしてるのよ？二十一世紀だっていうのに、私は何も盗んでも奪ってもいない！そんなことで私を見下すなんて！もし私があなたの父の手術代を出さなかったら、あなたの給料じゃ彼を助けられなかったんじゃない？」言ってしまった瞬間、後悔が押し寄せた。門田偉はプライドが高いし、私はずっとそのことに気を使ってきた。でも言葉が出てしまった以上、引き下がるわけにはいかない。案の定、彼は激怒した。「いい加減にして、浅野麗！心の中で感じていたことを言ってしまったんだろう？僕に結婚してあげてるんだって感じているのか？君がしたことは、君自身が一番わかっているだろう。母さんはもう妥協したんだ、今夜は絶対に来なさい。来なければ、これで完全に終わりだ」そう言って、彼はドアを勢いよく閉めて出て行った。私はその場で呆然として立ち尽くしていた。彼が私の仕事に不満を持っていたのは知っていたが、こんなにひどい言葉を浴びせられるとは思わなかった。彼が浅野楽のためにこんなに怒っていた。二人は一体いつ付き合ったのだろう？私はこの事が単純ではないと感じ、真実を確かめるために彼の母親と会う決意をした。家に入ると、すぐに理由が分かった。門田偉の家で、浅野楽が門田偉の母親の隣に座り、親しげに腕を組んで話していた。そして門田偉の母親は、私が今まで見たこともないような
Last Updated : 2024-12-12美容ブロガーの大敗北 第7話
私は門田偉を十数日も冷たく扱ってしまった。おそらく、私が積極的に和解しようとしなかったことに気づいた彼は、焦り始めた。私は彼が簡単に諦めることはないだろうと分かっていた。結局、私の家は裕福で、私は美しく、嫁入り道具は彼が一生かかっても稼げないようなものだからだ。彼の条件では、次に似たような女性を見つけるのがいつになるか分からない。やはり、しばらくしてから彼は私に夕食を一緒にしようと誘い、直接謝罪したいと言ってきた。会うと、彼はたくさんのおべっかを言い、母親が自分の過ちを深く認識したこと、そして私に気にしないでほしいと伝え、結婚式は予定通り行うと話した。 私はこれには興味がなかった。私が招待を断らなかった理由は、彼がどうして浅野楽と連絡を取ったのかを知りたかったからだ。私はすべてを理解した。彼の母親は、誰にも家の主の権力を奪わせることを許さず、私を使って威厳を立て、結婚後も苦しむことになるだろう。そして彼は、まさにマザコンの男だ。こんな家に嫁いで、苦しみたくはない。今、私がしたいことは、浅野楽と彼の関係を明らかにし、次の計画を立てることだ。浅野楽は何度も私に挑戦してきたが、私は彼女に辱められるわけにはいかない。でも今回は、予想外の収穫があった。門田偉は食事の際、ずっと私に酒を注いでいた。彼がトイレに行った隙に、私は酒に酔わない薬を飲み、こっそり酒を強いものに入れ替えた。最後には、私は全く問題なく、彼は目を開けられないほど酔ってしまった。その隙に、私は彼のスマホをアンロックし、事の真相を突き止めた。実は、私たちが婚約したその日、浅野楽はすでに門田偉と関係を持っていた。彼らは結婚後、私の財産をどうやって手に入れ、共に遠くへ逃げるかを話し合っていた。つまり、その和解書にサインした時点で、門田偉はすでに浅野楽と関係を持っていたのだ。そして、門田偉の母親はその全てを把握していた。私は彼と母親のチャット履歴も見た。「彼女を妊娠させて、親が頭を下げて私たちに結婚を頼んできたら、私たちが主導権を握ることができる。どういう条件でも、嫁入り道具は好きなだけ貰って、結納金は一銭も渡さない」今日、彼が謝罪しに来たのも、実は母親に言われて、私を酔わせて、さらに写真を撮り、できれば私を妊娠させて、そうすれ
Last Updated : 2024-12-12美容ブロガーの大敗北 第8話
弾幕は全て彼女の技術を非難していた。「何よ、こんな化粧って、どこが良いのか全くわからない」「全然わからん、顔が全部お化けのように描かれている、彼女のファンが何を持ち上げているのか理解できない」「これ、ただの妖怪じゃん。彼女が以前死人に化粧してたって聞いたけど、ほんとに限界がない」浅野楽は一斉に罵倒されて、呆然としていた。以前はあまり有名ではなく、また恥をかく覚悟があったため、彼女を支援する人たちはほとんどが低俗な性癖を持った男たちだ。でも、ずっと持ち上げられ続けるうちに、彼女は自分の技術が、神の手と本気で思い込むようになった。今回は私のファンがほとんどだ。彼らは彼女のことを全く、関心を寄せない。ライブ配信が急いで終わった後、私はタイミングよく声を上げた。「皆さんがあなたの技術に満足していないようなので、私は他の人を探すことにしよう」浅野楽は焦って、つい口をついて出てしまった。「だって彼女は醜くて年齢もいってるし、姉さんはこんなに美しいんだから、絶対大丈夫だよ！」門田偉の母親は顔を真っ青にして、でも少しでも息子のためにお金を節約しようとして、渋々頷いた。「私の顔はもう全然恥ずかしいけど、少なくとも無料だから、あなたは彼女を使わなきゃ」この一件で、浅野楽の評判は地に落ち、門田偉の母親も自分の顔が恥ずかしすぎて外に出られなくなった。浅野楽はその後、わざわざ謝りに来たが、追い返した。そして、私は忙しくライブ配信を始めた。浅野楽のライブに出演してから、ファンたちは私にも同じタイプのブロガーになってほしいと励ましてくれた。彼らはその日、私が化けたメイクが浅野楽より何倍も美しく見えたと思っていた。でもこれが浅野楽を激怒させた。彼女は家にやってきて口を利いて大罵りし、私が意図的に彼女の名声を汚し、さらに彼女を真似て有名になると思っていた。そして、私を訴えた。動画を盗作したと。裁判所から訴状が届いたその日、私は大笑いしていた。 まさに、私が望んでいたことだ。私は急いでブロガーの友達と、以前浅野楽に化粧された女の子たちに連絡し、証拠を準備させた。これで、浅野楽が完全に反撃できないようにしてやるつもりだ。裁判所で、浅野楽は私が彼女の動画を盗作し、悪質な競争をしたと激しく訴え、私の配
Last Updated : 2024-12-12
Latest chapter
美容ブロガーの大敗北 第9話
すぐに結婚式の日がやってきた。秘密を漏らさないために、私は迎えの儀式をキャンセルし、両親に私を式場に送ってもらうように頼んだ。理解はされなかったが、両親は「結納金を補うためにもう一軒家を追加する」と言って、すぐに了承した。その一方で、私は浅野楽に式の二時間前に来てもらうように頼んだ。高額な賠償金を支払ってから、浅野楽は少し元気がなくなっていて、私の要求にも特に反対しなかった。これで、私の計画はすべて実現した。門田偉、楽しみにしていてくれ。きっとあなたに一生忘れられない結婚式を用意するから。両親から電話を受け、急いで結婚式場に向かった。式はすでに始まっていた。荘厳な音楽が流れ、ウェディングドレスを着た姿が力強く押し出された。会場の人々がそれを見た瞬間、思わず息を呑んだ。門田偉は驚いて言葉を失った。「どうして君が！君、どうしてこんな姿に！？」浅野楽は何を言われているのか理解できず、慌てて周囲を見回したが、ちょうど私を見つけた。私はすぐに驚いた顔を作り、悲しみ、信じられないという表情を浮かべた。彼女は状況がわからなかったが、私が悲しんでいるのを見て、どうしても気にしなくてはならず、門田偉の腕に飛びついた。「偉兄さん、私を見て嬉しいのか？」浅野楽は、彼女が一番良いと思う笑顔を無理に作った。門田偉はすぐに腕を引き抜き、吐き気を感じて、腰を曲げて吐き続けた。近くの鏡が偶然浅野楽の前を通り過ぎた。尖った叫び声が響き渡った。その間に、元々私と門田偉のラブストーリーを流すはずだったスクリーンには、見ていられない動画が映し出された。浅野楽は腐った顔の半分を触り、崩壊したように叫んだ。「いや、これ、私じゃない！どうしてこんな姿に！？」私は胸を押さえて悲痛に言った。「あなたたちは私の背後でこんなことをして、私を裏切ったか？」私が言った瞬間、浅野楽は私をじっと見つめた。「貴様だ！馬鹿野郎！私を故意に陥れたんだ！死ね！」彼女は鏡を壊し、その破片で私に向かって突進しようとしたが、数人の従兄弟に制止された。式場は混乱した。その騒ぎの中で、私は彼女の耳元に近づいた。「私の成果に満足のか？使ったのは、あなたが私に準備してくれた化粧品だよ」私はこの日を迎えるために、長い時間をかけて
美容ブロガーの大敗北 第8話
弾幕は全て彼女の技術を非難していた。「何よ、こんな化粧って、どこが良いのか全くわからない」「全然わからん、顔が全部お化けのように描かれている、彼女のファンが何を持ち上げているのか理解できない」「これ、ただの妖怪じゃん。彼女が以前死人に化粧してたって聞いたけど、ほんとに限界がない」浅野楽は一斉に罵倒されて、呆然としていた。以前はあまり有名ではなく、また恥をかく覚悟があったため、彼女を支援する人たちはほとんどが低俗な性癖を持った男たちだ。でも、ずっと持ち上げられ続けるうちに、彼女は自分の技術が、神の手と本気で思い込むようになった。今回は私のファンがほとんどだ。彼らは彼女のことを全く、関心を寄せない。ライブ配信が急いで終わった後、私はタイミングよく声を上げた。「皆さんがあなたの技術に満足していないようなので、私は他の人を探すことにしよう」浅野楽は焦って、つい口をついて出てしまった。「だって彼女は醜くて年齢もいってるし、姉さんはこんなに美しいんだから、絶対大丈夫だよ！」門田偉の母親は顔を真っ青にして、でも少しでも息子のためにお金を節約しようとして、渋々頷いた。「私の顔はもう全然恥ずかしいけど、少なくとも無料だから、あなたは彼女を使わなきゃ」この一件で、浅野楽の評判は地に落ち、門田偉の母親も自分の顔が恥ずかしすぎて外に出られなくなった。浅野楽はその後、わざわざ謝りに来たが、追い返した。そして、私は忙しくライブ配信を始めた。浅野楽のライブに出演してから、ファンたちは私にも同じタイプのブロガーになってほしいと励ましてくれた。彼らはその日、私が化けたメイクが浅野楽より何倍も美しく見えたと思っていた。でもこれが浅野楽を激怒させた。彼女は家にやってきて口を利いて大罵りし、私が意図的に彼女の名声を汚し、さらに彼女を真似て有名になると思っていた。そして、私を訴えた。動画を盗作したと。裁判所から訴状が届いたその日、私は大笑いしていた。 まさに、私が望んでいたことだ。私は急いでブロガーの友達と、以前浅野楽に化粧された女の子たちに連絡し、証拠を準備させた。これで、浅野楽が完全に反撃できないようにしてやるつもりだ。裁判所で、浅野楽は私が彼女の動画を盗作し、悪質な競争をしたと激しく訴え、私の配
美容ブロガーの大敗北 第7話
私は門田偉を十数日も冷たく扱ってしまった。おそらく、私が積極的に和解しようとしなかったことに気づいた彼は、焦り始めた。私は彼が簡単に諦めることはないだろうと分かっていた。結局、私の家は裕福で、私は美しく、嫁入り道具は彼が一生かかっても稼げないようなものだからだ。彼の条件では、次に似たような女性を見つけるのがいつになるか分からない。やはり、しばらくしてから彼は私に夕食を一緒にしようと誘い、直接謝罪したいと言ってきた。会うと、彼はたくさんのおべっかを言い、母親が自分の過ちを深く認識したこと、そして私に気にしないでほしいと伝え、結婚式は予定通り行うと話した。 私はこれには興味がなかった。私が招待を断らなかった理由は、彼がどうして浅野楽と連絡を取ったのかを知りたかったからだ。私はすべてを理解した。彼の母親は、誰にも家の主の権力を奪わせることを許さず、私を使って威厳を立て、結婚後も苦しむことになるだろう。そして彼は、まさにマザコンの男だ。こんな家に嫁いで、苦しみたくはない。今、私がしたいことは、浅野楽と彼の関係を明らかにし、次の計画を立てることだ。浅野楽は何度も私に挑戦してきたが、私は彼女に辱められるわけにはいかない。でも今回は、予想外の収穫があった。門田偉は食事の際、ずっと私に酒を注いでいた。彼がトイレに行った隙に、私は酒に酔わない薬を飲み、こっそり酒を強いものに入れ替えた。最後には、私は全く問題なく、彼は目を開けられないほど酔ってしまった。その隙に、私は彼のスマホをアンロックし、事の真相を突き止めた。実は、私たちが婚約したその日、浅野楽はすでに門田偉と関係を持っていた。彼らは結婚後、私の財産をどうやって手に入れ、共に遠くへ逃げるかを話し合っていた。つまり、その和解書にサインした時点で、門田偉はすでに浅野楽と関係を持っていたのだ。そして、門田偉の母親はその全てを把握していた。私は彼と母親のチャット履歴も見た。「彼女を妊娠させて、親が頭を下げて私たちに結婚を頼んできたら、私たちが主導権を握ることができる。どういう条件でも、嫁入り道具は好きなだけ貰って、結納金は一銭も渡さない」今日、彼が謝罪しに来たのも、実は母親に言われて、私を酔わせて、さらに写真を撮り、できれば私を妊娠させて、そうすれ
美容ブロガーの大敗北 第6話
門田偉がいつ浅野楽と関係を持ったのか、そして彼女のために私を騙すなんて信じられない。私は彼にやんわりと尋ねたが、彼はまるで気にも留めず、軽く頷いただけだ。「僕が君のためにサインしたからだよ。結局、親戚だし、彼女もそんなに悪いことはしていないから、事を荒立てるのはよくないと思って」私の胸に怒りが込み上げてきた。あのとき、私がヌード写真を加工されたとき、彼は一度も私の味方をしてくれなかった。今、犯人が捕まったというのに、彼は浅野楽をかばおうとしている。私は彼の婚約者なのに！「悪いことしてない？もし私があの写真のバックアップを見つけていなかったら、今頃私たちの結婚は終わっていたわ！」「うるさいな。母さんは最初からこの結婚に反対してたんだ。君が何もしていなければ、そんなことにならなかっただろう。君があんな仕事してるから、写真を加工されたんだろ？母さんだって、君に対して面目を失っているんだ」「私は一体どんな仕事をしてるのよ？二十一世紀だっていうのに、私は何も盗んでも奪ってもいない！そんなことで私を見下すなんて！もし私があなたの父の手術代を出さなかったら、あなたの給料じゃ彼を助けられなかったんじゃない？」言ってしまった瞬間、後悔が押し寄せた。門田偉はプライドが高いし、私はずっとそのことに気を使ってきた。でも言葉が出てしまった以上、引き下がるわけにはいかない。案の定、彼は激怒した。「いい加減にして、浅野麗！心の中で感じていたことを言ってしまったんだろう？僕に結婚してあげてるんだって感じているのか？君がしたことは、君自身が一番わかっているだろう。母さんはもう妥協したんだ、今夜は絶対に来なさい。来なければ、これで完全に終わりだ」そう言って、彼はドアを勢いよく閉めて出て行った。私はその場で呆然として立ち尽くしていた。彼が私の仕事に不満を持っていたのは知っていたが、こんなにひどい言葉を浴びせられるとは思わなかった。彼が浅野楽のためにこんなに怒っていた。二人は一体いつ付き合ったのだろう？私はこの事が単純ではないと感じ、真実を確かめるために彼の母親と会う決意をした。家に入ると、すぐに理由が分かった。門田偉の家で、浅野楽が門田偉の母親の隣に座り、親しげに腕を組んで話していた。そして門田偉の母親は、私が今まで見たこともないような
美容ブロガーの大敗北 第5話
モデルとして、撮影後の未使用の写真は通常破棄され、流出すれば個人のイメージに悪影響を与える。破棄を担当していたのは私のアシスタントだ。彼女は少し前に実家に帰ると言って休暇を取ったままで、まだ戻っていない。私のスタッフの中で、彼女だけが画像編集に熟練していた。私はスタッフには寛容に接してきたが、このアシスタントは以前、顧客との契約を失敗させたことがあり、その際に少し叱ったことがある。あの時、彼女に反省してもらうために言ったことだったが、裏では私が彼女のために補償してあげた。しかし、まさか彼女が私に恨みを抱き、浅野楽と手を組んで私を追い詰めるとは思ってもみなかった。だが、こんなことも、元の写真を見つければすぐに真実は明らかになる。だが、私は彼女たちの憎しみを甘く見ていた。彼女たちは私の未使用の写真をすべて破棄し、私に逃げ道を一切残さなかった。私が浅野楽に会いに行った時、彼女はちょうどその写真をネットに公開しようとしていた。「その写真、門田偉に送ったのはあなたでしょ？」彼女は無邪気な顔をしていたが、その目には明らかに他人の不幸を楽しんでいる様子が見え隠れしていた。「何言ってるの？意味が分からない」「もうやめて。全部分かってるから」「もし送ったとして、どうしたの？あなたが私をあんな風にしたんだから、私はただフォロワーに見せたかっただけよ。それなのにあなたが私をあんなにひどい目に合わせた！だから、あなたの婚約者にあなたがどんな人間か見せるしかないじゃない」「でも、あなたが知っている通り、それらの写真は本物じゃない」「それがどうしたの？オリジナルはもう破棄したわ。彼らはそれを本物だと思ってるだけよ」「本当にそう思ってるの？」「もちろん」私は机の上に数枚の写真を放り投げた。それらこそが本当の未使用の写真だ。浅野楽は信じられないという顔をして、「どうして？私は確かに見ていたわ、彼女がそれを破棄するのを！」私は腕を組みながら彼女がそれらの写真を引き裂くのを見ていた。「残念だけど、私はちょっとナルシストだから、会社に加えて、自分でもバックアップを取る習慣があるの。好きに引き裂いていいけど、私のパソコンにはもっとたくさんあるから。それに、人のヌード写真を加工して拡散することも、私はあなたを刑務
美容ブロガーの大敗北 第4話
私は家の中で見つけた監視カメラを思い出した。それは浅野楽が以前、私に「ちょっと預かってほしい」と言って残していったものだ。あれこれ考えたが、どうしてもこのままでは気が済まない。彼女とは疎遠な関係ではあったが、特に大きな確執があったわけではない。ただ一度、彼女の頼みを断っただけで、こんな仕打ちを受けるとは。もしあの時、物音に気づかなかったら、もし浴室に隠れる場所がなかったら、今頃私はきっと世間の笑い者になっていた。同じ女性でありながら、彼女は男を喜ばせるために私を貶めようとしたのだ。私は何か行動をとらなければならない。彼女に思い知らせる必要がある。私を敵に回した代償がどれほど大きいかということを。まず、彼女のライブ配信に潜入し、数日間様子を探った。彼女に頻繁にギフトを送る何人のフォロワーを見つけた。その中でもランキング一位の男性が、あの日「私の入浴姿」を見たがっていた人だ。浅野楽はその男と個人的に連絡を取っており、その男は彼女にエロティックなことをさせたいと思っていた。だが、彼女自身はそれを嫌がり、かといって金づるを失いたくないで、代わりに私を利用する計画を立てたのだ。その日、男が見られなかったことで、彼は激怒し、浅野楽は機嫌を取るのに必死だったようだ。結局、彼をなだめて再びギフトを送らせたらしい。ランキング一位の男以外にも、浅野楽は他のプラットフォームで複数の裕福な男性たちと関係を持っていた。しかし、どうやら彼らはお互いの存在を知らないらしい。これは都合が良い。私は彼ら数人に個別に連絡を取り、事の経緯を詳しく説明した上で、一つのグループにまとめた。あとは彼らがどう動くかに任せた。彼らの行動力には一切の心配がいらない。数日後、予想通り浅野楽から電話がかかってきた。「浅野麗！あんたがチクったんでしょ！？なんでこんなことするのよ！彼たちが私を気に入るのは私の実力でしょ？嫉妬するなら自分で稼げばいいのよ！どうして私の稼ぎを邪魔するのよ！絶対に許さないから！」彼女が怒りに任せて叫ぶ声を聞きながら、私は電話を切った。彼女が動揺する姿を想像すると、なんとも言えない快感を覚えた。浅野楽は数人の裕福なフォロワーを失い、配信を続けることができなくなったようだ。彼女は家で物を壊して暴れ回った。両親から聞いた話
美容ブロガーの大敗北 第3話
浅野楽を断った後、私はなんとなく胸騒ぎを覚えていた。あの様子からして、そう簡単に諦める人ではなさそうだ。だが、最近の彼女は意外と大人しく、ライブ配信すらほとんど行っていない。トイレに行くにも配信したがるような彼女にしては、これは珍しいことだ。もっとも、私自身仕事が忙しく、彼女が何を企んでいるかを気にする余裕もなかった。その日、ようやく残業を終え、家に帰ってきた私は、両親が従兄の結婚式に出かけているため、一人きりだった。シャワーを浴びて休もうと思い、服を脱ぎかけたその時、玄関の方で「ガチャガチャ」という音がした。誰かが鍵をいじっているようだ。瞬時に心臓が凍りついた。両親が帰ってくるには早すぎるし、彼らが帰宅する際は必ずドアをノックする。脳裏をよぎるのは、これまで見聞きした数々の犯罪事件の記憶。私はいつもシャワーを浴びる時、携帯を持ち込まず、服も浴室の外に置いている。この状況で外に出て助けを求めても、間に合わないどころか、不審者と鉢合わせる可能性が高い。息を潜めて音を聞いていると、突然小さな女の声が聞こえてきた。「おかしいな。監視カメラでは浴室に入るのを確認したのに、水の音が聞こえないね」浅野楽の声だ！彼女が「監視カメラ」と言った！まさか私の家に監視カメラを仕掛けたのか？！信じがたい。 人間ここまで恥知らずになれるものなのか？彼女が法律を無視したのなら、こちらも道徳を捨てよう。私は彼女の足音がリビングを徘徊するのを聞き、シャワーをあえて流して気配を消した。その間に浴衣を手に取り、自分に巻き付け、トイレ用のラバーカップを持って浴室の死角に隠れた。我が家の浴室にはちょうど一人が隠れられる程度の隙間があり、そこに身を潜めると、外からは見えないようになっている。この隙間が役に立つ日が来るとは思わなかった。私は彼女が一体何を企んでいるのか、この目で確かめてやろうと思った。浴室のドアがそっと開き、浅野楽がスマホを掲げて興奮気味に言った。「言っておくよ、野上さん！私の姉ってモデルなんだよ。その体つき、私なんかよりずっとスタイルいいんだから！ 野上さんに一目見せるために、私、結構なお金をかけてるんだから、今日は大額ギフト送ってよね！」 「ふざけるなよ、どこにも誰もいねぇじゃねぇ
美容ブロガーの大敗北 第2話
私はとうとう我慢できなくなり、浅野楽の携帯を奪い取った。浅野楽は急いで駆け寄り、携帯を奪い返そうとした。「何してるの、私は今ライブしてるのよ！これじゃフォロワーたちが不機嫌になっちゃう！」「じゃあ、あなたが小さい頃からずっとお世話してきたおばあちゃんより、あなたのフォロワーたちの方が大事なの？」私たちの言い争いは最終的にみんなを引き寄せた。いくつかの伯父たちは棺が開けられているのを見て、気を失いそうになった。心臓を押さえながら、「誰がこんなことをしたんだ？」と聞いた。浅野楽は事態が大きくなったことに気づき、意図的に私をちらっと見た。叔母は私を叱ろうとしたが、母が止めた。母は浅野楽の背後にあるライトとライブ道具を指差して言った。「うちの娘はそんなことしないわ」みんなが浅野楽に注目する中、浅野楽は突然、大声で泣き始めた。「ただ化粧をしただけで、そんな大げさに言わないでよ！おばあちゃんは何も言ってないでしょ、みんなそんなに偽善者ぶらなくていいじゃない！」私は冷笑した。「おばあちゃんがもし話せるなら、最初にあなたを連れて行くのはあなただろうね」叔母は納得いかない様子で、「言うならちゃんと言いなさい、呪いなんて言うな！この子、見た目は優しそうに見えるけど、まさに悪女だ」浅野楽には両親がいるので、彼女は強気になった。結局、叔父たちは故人の安らかな眠りのために、この件は水に流すことにし、浅野楽に軽く注意しただけだ。これが浅野楽に調子に乗らせることになった。私はモデルをしていて、従妹よりも知名度が高い。彼女は何度も私にメイクしてくれと言ってきた。しかし、彼女のメイクは一貫して同じスタイルで、個性がなく、会社の要求するモデルのイメージを守るため、いつも遠回しに断っていた。しかも、おばあちゃんの件があったので、今は彼女と関わりたくなかった。だが、彼女はしつこく近づいてきた。少し後、浅野楽が、葬儀での自分の振る舞いがいかに間違っていたかを痛感し、私たちに謝りに来ると言った。私は会いたくなかったが、両親が「親戚だから関係を悪化させたくない」と言ったので、仕方なく彼女に会うことにした。浅野楽は過剰に熱心で、家に入るとすぐに家族の話を始めた。そして、非常に誠実に謝罪した。「でも、姉ちゃんが私を許
美容ブロガーの大敗北 第1話
私の従妹はブロガーで、主にメイクで人を変えてフォロワーを増やしている。家族の集まりでは、いつも自分のインフルエンサーとしての活動を話していて、何度かライブ配信をしている時に私たちをスマホのカメラに映すこともあった。私はその行動がとても嫌いで、何度も注意したことがあるが、彼女は一向に気にせず、私たちに「私のライブに出演するのは、みんなにとって光栄なことだよ」と言っていた。幸いにも、私たちは遠い親戚で、家族の集まりでしか顔を合わせない。しかし、私はまさか、彼女が目立つために、祖母の葬式という大切な場面で冗談を言うとは思わなかった。祖母はとても優しい人で、私たち孫たちを大切にしてくれた。祖母が亡くなったと聞いて、私はとても悲しかったし、みんなもすぐに帰ってきた。祖母は伝統的な人で、生前にすでに後事を決めていた。火葬は望まず、祖父と一緒に故郷で葬られることを望んでいた。しかし、その最後の夜、大きな音が響いた。その夜は叔母一家がお通夜をしていたはずだが、私は安置室に駆けつけたとき、真っ暗だった。私は震えながらライトをつけ、そして一生忘れられない光景を目にした。安置室の中央、祖母の遺体が入っている棺が半分開かれていた。従妹、浅野楽は腰をかがめ、力を入れて棺の蓋をさらに開けていた。私は全身が凍るような感覚を覚え、怒りが頂点に達した。私は彼女を突き飛ばし、「何してるんだ！」と叫んだ。浅野楽は驚き、私だと分かると文句を言った。「こんな夜に大声を出してどうするの？ここは安置室だよ、何か来るかもしれないでしょ」私は開かれた棺の蓋を指さし、震えながら言った。「棺は勝手に開けちゃダメだよ！こんなことをしたら、どうやって故人を安らかに送れるんだ！」彼女はまるで聞いたこともないような笑いを浮かべ、スマホを手に取り、楽しそうに言った。「みんな、わかる？もう何の時代だよ、まだこんな迷信を信じてるなんて、学校で何を学んだの？」「それが信じるか信じないかの問題じゃない。人が亡くなったら尊重するべきだよ。あなたは目立つためにライブしてるだけじゃないか！」「そんな言い方しないでよ、何が目立つためだって？私がおばあちゃんを美しく送ってあげたかっただけで、何が悪いの？おばあちゃんだってきっと最後に美しくなりたかったかもしれないし、それに
