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第55話

「伊吹嵐?お前、なんでまだここにいるんだ」

相手が誰であるかを見て、高迎祥は怒りに満ちた声で言った。

「私たち二人が話しているんだ。お前みたいな小さな社員が何の用だ!さっさと出て行け」

「高橋部長、それを話と言いますか?言い方を悪くすれば、それは職場でのセクハラになりますよ。会社の規定によると、解雇されるべきです」

伊吹嵐は弱気にならずに嘲笑した。

高橋輝はすぐに顔色を変えて、引き下がるしかなかった。

中島美紀は安堵の息をつき、感謝の眼差しを伊吹嵐に向けた。

高橋輝は仕方なく笑顔を作り直し、

「中島さん、先ほどはただの冗談だったよ。気にしないで、さあ、急いで朱師匠に邪気を除いてもらおう。そうすればすぐに体が回復するよ」と言った。

中島美紀は高橋輝の面子を慮って、仕方なく頷いた。

岡田晴也は前に進み出て、片手で脈を取りながら、山羊ヒゲをひねって真剣に言った。

「中島さん、あなたは最近邪気に遭遇し、邪気が体に入ったために不快感を覚えているのです。この少しの邪気は、わしにとっては簡単に解消できるものです」

そう言って、彼はポケットから赤い丸薬を取り出し、

「これは香露艾草丸で、これを飲めば邪気を除けます」

中島美紀は受け取って、丹念に嗅いだ。確かに純粋な漢方薬の成分しか感じられなかったので、危険はないと思われた。

そこで何度も感謝して言った。「岡田大師、高橋部長、ありがとうございます」

高橋輝は輝かしい笑顔を浮かべ、目はやや熱い、「遠慮なく、早く飲みなさい」

中島美紀が小さな口を開けて飲もうとしたその時、伊吹嵐が雷のような速さで彼女の手首を掴み、

「中島さん、飲んではいけません、飲んだら問題が起きます」

「問題?どんな問題が起きるっていうのか?」と中島美紀は戸惑った。

伊吹嵐は重々しく言った。

「意識が不明になり、他人に操られます。まるで酔っぱらって、大通りで人に拾われるようなものです」

その言葉には、皆が驚愕した。

高橋輝は特に、一瞬に慌てて、すぐに騒ぎ立てた。

「冗談じゃない!なんにもわからない新米が、ここで偉そうに言ってる!岡田大師が中島さんに渡した薬丸は、専門に邪をお属ためのものだし、多くの中医もこれを知っている」

「意識が不明になるだって?わからないなら、でたらめを言わないで!見苦しい真似はよせ」

そして、その
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