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第130話

東田智子は馬鹿ではなく、相手の一方的な話をすぐに信じることはなく、そのまま座って冷淡に言った。

「達下隊長、いや、違った。達下さん、それで、わが会社に何の用があるか」

「まず、あなたにお会いしたいと思いました。これはわざわざ南半球から空輸してもらった青いバラです。函館市では買えないものですよ」

達下秀樹の顔は得意げな表情を浮かべていた。

「それから、この南アフリカの大きなダイヤモンドは品質が極上で、間違いなく多くの女性を叫ばせる逸品ですよ。あなたの唯一無二のオーラにぴったりです」

しかし、東田智子はただ冷ややかに黒ストを履いた長い脚を組み、淡々と言った。

「ありがとう。プレゼントは受け取るよ。さて、あなたの他の目的を聞かせてください」

彼女はすでに相手の本音を見抜いていた。

バラやダイヤモンドは仮託に過ぎない。

達下秀樹はもはや隠しもせず、笑いながら言った。

「智子さんはやはり、以前と変わらず賢明ですね。私はそれが大好きです。

「隠さずに言いますが、私は今山重製薬に入社し、製品部の課長を務めています」

達下秀樹は興奮して言った。

「この会社は、四大古武家族の一つである山重家の継ぎ目、山重友樹によって創設されました。

「山重さんは利豪商事の医薬業務にずっと関心を持っており、適切な機会に協力したいと思っています」

「彼はどうしたいか」と東田智子は眉を逆立てた。

達下秀樹はまさに幸運を手に入れ、山重製薬と繋がれたのだ!

「山重さんの意向はシンプルです。利豪商事がいくつかの非常に売れ行きのよい美容製品を持っていることを知っています。

「もし、山重製薬に公開できれば、二つの強力な企業が手を組むことで、東北地方を制覇することが可能ですよ」

と相手が続けて言った。

「彼はレシピが欲しいのか」と東田智子の目は瞬時に大きく見開いた。

これらの美容製品は利豪商事の重要な収入源であり、これによって市場を独占し、売上の五分の一以上を占めている。

今、山重友樹は交渉もせずに彼らのレシピを手に入れたい?これは明らかに略奪に他ならない。

「安心してください。東田社長が口を開けば、これから山重家が利豪商事を守ると山重さんは言っていました」

達下秀樹は口端を釣り上げて言った。

「山重家の助けがあれば、あなたと利豪商事は前途洋洋ですよ。

「これは山重
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