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第20話

美羽はすぐに場を和ませようとした。「雲母若様も食事に来られたんですね。このレストランのキノコスープがおすすめですので、よかったら頼んでみてください。それと、先日お話しした件については、まだ検討中ですので、決まったらご連絡しますね」

蒼太は美羽の言葉を受け入れて、悠介を一瞥しながら答えた。「そうですね、ぜひ試してみます。連絡をお待ちしています」

そう言って、蒼太は女性同僚とともに別の席へと移動していった。

美羽が悠介に目を向けた。悠介は焦って言った。「違うよ、美羽!考えるのは彼じゃなくて僕にしてくれよ!僕は本気なんだ!」

美羽は冷静に問い返した。「本気で何を?」

「本気で君を僕の秘書にしたいんだよ!僕、何にもわからないし、父の会社をうまく経営できる自信がないんだ。だからこそ君が必要なんだよ!」悠介は誠実に言った。

「心配しなくていい。僕はただの金持ちだ。金を出すだけで口は出さないよ。君は僕の下で、一人の下に多くの人を従える立場になるんだ!」

さっきの彼の発言に少し苛立ちを感じていた美羽だったが、今となっては彼の性格が分かってきて、少し笑えてきた。彼女は真剣に考えると返事をした。

その一言で悠介は大喜びし、彼女と一緒に写真を撮りたがった。撮影後、彼はすぐにモーメンツにアップし、「僕も愛も仕事もダブルでゲットだ!」と書き込んだ。

美羽はこの日初めて悠介の電話番号を知り、彼のLineを持っていなかったため、このような誤解を招く投稿を知らなかった。

直樹はその投稿を見て、眉をひそめて、翔太にスマートフォンを差し出した。

翔太はそれを無表情で見つめた。

食事が終わった後、悠介は美羽を家まで送ろうと張り切っていた。彼女が断っても無視し、駐車場に車を取りに行った。

美羽は仕方なく、レストランの外で彼を待っていた。

しかし、十数分が過ぎても悠介は戻ってこなかった。電話をかけようとした矢先、駐車場に警察のパトカーが向かっていったのを目にした。美羽は嫌な予感がして、急いで駐車場に向かった。

そこには、顔が腫れ上がった悠介と蒼太が警察に連行されていた光景が広がっていた。彼らは互いに殴り合ったという罪状で捕まっていたのだ。

美羽は絶句した。

悠介は彼女を見つけるなり、大声で叫んだ。「真田秘書!翔太兄に電話して、僕を助けに来てくれ!」

警察は厳しく命じた。「
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