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第 0212 話

昨晩ここから車で去った後、中村逸は病院で傷を包帯してもらったが、今の瀬川秋辞の視線に対して、彼はきっぱりと首を振った。「していない」

「マスクを外して、傷を見せて」

中村逸は左右を見渡し、アパートの入り口には人が多かった。「ここで?別の場所にしよう」

後ろの二人は一目で薄野荊州のボディガードだと分かる。彼らに見られることは、間接的にライバルに見られることになる。

「脱ぐわけじゃないんだから、別の場所にする必要はないでしょ。ホテルの部屋でも予約する?」

「それもいいけど……」

瀬川秋辞は彼と話すのが面倒になり、直接彼の顔からマスクを引き剥がした。中村逸は彼女が手を動かすとすぐに反応したが、咄嗟に
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