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第 0138 話

瀬川秋辞は近藤久の意図に気を留めず、「まずは宝物を見せてください」と言った。

近藤久は慎重に黄花梨という木材で彫刻された箱を取り出し、その中には翡翠のイヤリングが入っていた。「これは借金の抵当として受け取ったもので、彼らの家の伝家の宝だと言われ、清朝初期のものだとされています」

瀬川秋辞はその翡翠を見て、非常に透き通って不純物もほぼなかった。価値はあるが古物とは言えず、清朝初期どころか民国時代にも届かないものだと判断した。

彼女は翡翠を戻して言った。「近藤さん、翡翠は非常に良いものです。大切に保管すれば、将来的には古物になるかもしれません」

近藤久はその翡翠が古物であるかどうかには関心がなく、
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