第2話

「みよ、助けてあげるよ」

なぜシステムは私にみよと雨宮淳司を見守らせたのか、なぜ彼らが最初に登場するのか。この物語の答えは必ず雨宮淳司にあるはずだ。

私は慌ててバスタオルを巻き、地下室へ駆け下り、雨宮淳司が閉じ込められている部屋へ向かった。

私は乱暴にドアを開け、鉄の扉を壁に叩きつけて重い音を響かせた。

雨宮淳司はまだとても虚弱そうで、家の隅に置かれた干からびた風船のように、力なくベッドの端に寄りかかっていた。

その大きな音に驚いて、彼は飛び上がり、慌てて布団を掴んで後ろに下がった。

「君……また何をしようとしてるの……近寄らないで」

私は前に進み、彼の肩を強く掴み、少し神経質に言った。

「あなたは絶対に私を知っている。絶対に知っている。間違いない」

私はベッドの端に跪き、何度も雨宮淳司に懇願した。

「お願い、教えて、私は誰なのか」

雨宮淳司は身をかわして私の手を振り払い、冷たい表情で、まるで発作を起こす精神病患者を観察する冷徹な医者のようだった。

彼は冷笑して言った。

「お姉さん、自分が誰なのかも知らないのか？本当に哀れだね」

「お前は卑劣な手段を使って人々の自由を壊す最低な人間だ」

雨宮淳司の声は冬の氷柱のように私の耳に突き刺さり、私は苦しみながら目を閉じた。一体どうすればいいのだろうか。

突然、温かい気配が私に近づいてきた。

雨宮淳司の息が私の顔に触れ、彼の傷だらけの手がゆっくりと私の手を握った。

「僕を放して」

「僕は君を知らない。昔も、これからもずっと」

雨宮淳司の目は純粋で、深い茶色の瞳に希望が満ちていた。声は低く、教会の賛美歌のような響きがあった。

私は青い蝶を思い出した。木枠に閉じ込められた死体だけでなく、背中に彷徨う刺青、そして何よりも「自由」と手書きされたその言葉を。

これがあなたの心の魔物なのね、みよ

彼を放して、いい？

私の心臓は締め付けられるような鋭い痛みを感じた。それはまるで血圧計の最高値で押さえつけられるようだった。

私は痛みを堪え、彼の手を軽く払いながら静かに言った。

「いいよ、行って」

「ついてきて」

私は雨宮淳司を一度も振り返ることなく、立ち上がってドアの方へ歩き出した。

彼はきっとみよにとって最も重要な人だ。なぜ彼が忘れることを選んだのか、その理由は分からない。だが、彼に