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第378話

  ほぼ1ヶ月帰っていなかったので、部屋にはあちこちにほこりが積もり、キッチンの用具も掃除が必要だった。

しかし、今は掃除する気力がないので、ソファにしばらく横になった後、高村さんがスマホを抱えて「何を食べる?」と聞いた。

由佳は高村さんが出前を頼んでいるとすぐに理解し、口をパクパクさせながら出前アプリを開けた。「北京ダックを頼む」

「じゃあ、私はフライドチキンを頼むわ……」

由佳:「……」

二人の出前が順に届いた。

元旦前に国内で公開された待望の映画が、今は動画サービスにアップされていた。

高村さんの広いマンションには小さな映画館があった。

二人は出前を持って映画館に行き、映画を見ながら食事をした。

食事が終わると、二人は体裁を気にせずソファに横になって映画を見続けた。

由佳は足を組みながら言った。「いいな、私も広いマンションを買って、一人で住みたいな」

彼女は高村さんの家にずっと住むわけにもいかず、星河湾の別荘にも戻りたくなかったので、自分で家を買って一人で住む必要があった。

高村さんは顔を上げて、「それなら、私の半分の家を売って、一緒に住むってのはどう?もっと快適じゃない?」

話せば話すほど、高村さんはその案が良さそうに思えてきた。「東側の寝室で住めばいいじゃん。他の間取りは相談しよう。映画館やジム、キッチンなどの共有スペースは一緒に使ってもいいし、二人でちょうど良いし、いいと思うよ!」

実際、高村さんは由佳がずっと住むことを気にしないが、由佳が金銭を払わないと長期的には住むのを嫌がるだろうと感じていた。

由佳は少し考えてから言った。「猫を飼うのは気にしない?」

「気にしないよ!一緒に可愛がろう!」

「OK!」由佳はすぐに頷いた。「この家は今いくら?」

「2000万でいいよ」

「わかった、明日銀行で振り込むね」

「急がなくていいよ」

二人はソファで2本の映画を見終わり、スマホで遊んだ後、夕方になったので由佳がスマホを置いて「もう掃除して寝よう」と言った。

「うん」

高村さんもスマホを置いた。

二人は協力して部屋全体を掃除し、キッチンの用具も洗った。

掃除が終わるころにはすでに夜の9時を過ぎていて、二人はまた夜食を2人分注文し、食べ終わった後にそれぞれの部屋でシャ
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