第9話

「お母さんの言った通りじゃないか？」

「結婚すれば幸せになれるんだろう？これもお母さんのためよ」

「後で、私に感謝すべきだわ」

私は母が言った言葉をそのままそっくり返した。

前世と同じく、工場に入って間もなく、あの変態男に付きまとわれた。

しかし、一度経験している私は、この男が他の町で、別の女の子を誘拐しようとして未遂に終わった前科があることを知っていた。

そして、今も逃亡中なのだ。

私はこのことを武器に脅迫したので、彼は私に手を出せなかった。

「こ、こいつ......私を騙したのか！？」母は目を見開き、ようやく事の次第を理解した。

「私が何を騙したの？この人を連れてきたのはお母さんだろう？結納金の額も自分で決めたじゃないか」

今はただ、結婚相手が私から母に変わっただけだ。

私はもう母に構わず、変態男の方を向いた。

「さあ、彼女はあなたの妻ですよ。連れて行ってください」

変態男はすでに金を払っていたので、遠慮なく立ち上がり、ロープを取り出して、母の体を縛り上げた。

母は激しく抵抗し、叫び声を上げたが、力及ばず、すぐに口を塞がれた。

私は台所に入り、棚から同じ酒を取り出した。

「これは昨日の夜、お母さんがあらかじめ薬を入れたお酒だ。全部取ってるよ」

「少し飲んでから行こう」

その中には、昨夜、母が自ら入れた薬が入っていた。

母は私が知らないと思っていたが、実は、昨夜母が薬を入れた後、私はこっそりお酒をすり替えていたのだ。

変態男も母が抵抗するのを恐れて、瓶を開けて、母に無理やり飲ませた。

母は激しく抵抗して吐き出そうとしたが、それでも数口は飲み込んでしまった。

すぐに、母は抵抗する力を失った。

連れ出されそうになった時、母はようやく恐怖を感じ、態度を軟化させ、私に助けを求めようとした。

「私はあんたの母親なのよ！こんなひどいことをしないで......」

前世、私が変態男に売られそうになった時、私も母に助けを求めた。

母も女だし、私は母から生まれたのだから、どんなことがあっても、私に対して少しは同情してくれると思っていた。

しかし、母はただこう言った。

「お嫁に出すのは、幸せになってもらいたいからよ。どうして満足しないの？」

今、私はその言葉をそのまま母に返した。

母が連れ出されるのを見ながら、私は心の中で付け