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第 0805 話

作者: 水原信
でも、州平の心の中では、ファラオが良い人間であるとは到底思えなかった。

「向こうにイ族の女性たちが薬草を採っているな」

部下たちは、懸命に働く女性たちの姿に気づいた。

「今回の同盟軍の襲撃で薬草のほとんどが台無しにされたらしいけど、それが彼女たちの主要な収入源なんだ」

「ん……」突然、一峰が声を上げ、目をこすりながら言った。

「俺、見間違いじゃないですよね?イ族の女性たちの中に見覚えのある人がいる気がします」

州平の視線も同じ方向を向いた。そこで見たのは、女性たちと一緒に薬草を採る海咲の姿だった。

彼女はすっかり現地の生活に溶け込んでいるようだった。

女性たちと楽しそうに会話をしている。

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