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第 0156 話

消毒液で傷口を洗ってから、ようやく包帯を巻いた。

しばらくして、木村清は車を道路の端に停めた。

海咲は州平を支えながら車に乗せ、ふと健太を一瞥した。

その一瞬を州平も見逃さず、彼女が健太を気にしていることに気づいた。

健太は穏やかに口を開いた。「お先に帰ってもいいよ。葉野社長が怪我してるから、誰かが世話しないとね」

彼は海咲に配慮し、彼女がするべきことを理解していた。州平は彼女の上司でもあり、全体のバランスを考慮しなければならなかった。

海咲は手を振り、「じゃあ、先に失礼するね。今日は一緒に連れてきてくれてありがとう」と言った。

「どういたしまして」と健太は答えた。

車のドアが閉まった。

木村
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