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第2話

抑圧された感情が息苦しく、部屋中に雲翔の姿が描かれた絵を見つめながら、私は叫んだ。その瞬間、私の感情は堰を切ったように溢れ出した。

私は紙をむしり取り、床に踏みつけ、丹精込めて描いた絵を狂ったように引き裂いた。部屋中が散らかり、私の怒りと悲しみが爆発した。

床に座り込み、声を上げて泣き出した。すべてが壊れてしまった。

最後に残った一枚、私が一番好きだった絵、壁に飾っておきながら無視していたそれ。初めて雲翔に会った日に描いたものだ。震える手で触れようとすると、まるで電気ショックを受けたように感じた。

涙で顔を濡らし、その場に立ち尽くす。私はずっと自分が思っていたほど強くないのだ。

3日後、雲翔が展覧会で私を見つけた。彼は怒りに満ちた目で私をにらみつけ、「どうしてコンペに出なかったんだ?お前が優勝候補だったことは知ってるだろう。このコンペの重要性も分かってるはずだ。機嫌を損ねるならもっと適切な場所を選べよ」と詰問した。

一連の質問が、もう感覚を失っていた心に突き刺さった。

その瞬間、多くの言葉が喉元まで出かかったが、結局口から出たのは「ああ、優勝おめでとう」という一言だけだった。

雲翔の表情が少し和らいだ。「そうか、試合を見ていたのか。でもなぜ見かけなかったんだ?早く帰っちゃって、待ってくれてもよかったのに」

私は行かなかった、ただ推測しただけだ。彼の実力なら優勝するのは容易いことだった。

私は部屋中の絵を指差し、静かに尋ねた。「これらの絵、綺麗だと思う?」

私の目には慈しみの色が浮かんでいた。この展覧会がおそらく私の過去の作品を出す最後の機会になるだろう。人々が絵の前で立ち止まり、作者の芸術性を称賛する様子を静かに見守っていた。

その中に私の作品もあった。

雲翔はこめかみを揉み、私の手を握った。

「夏希、この前はちょっと忙しくてお前のことを無視してしまったけど、今回のコンペは本当に大切だったんだ。今夜のパーティーに一緒に来てくれないか?ちゃんと着替えて」

「時間がないわ」

私は落ち着いて彼を見つめた。「雲翔、別れよう」

彼は笑った、まるで何か冗談を聞いたかのように。「別れる?」

そしてまた優しい声で言った。「夏希、いい子だから。今夜のパーティが終わったら、僕がお前を慰めるから」

私は首を傾げて考えた。「いや、私たち別れるの」

彼は私を抱きしめようと一歩前に出た。

しかし、彼が私に触れようとした瞬間、私は彼を突き飛ばし、激しく叫んだ。

会場中の人が私の声に驚き、振り向いた。

私が必死に保っていたバランスが突然崩れた。

私は頭を抱え、その場にしゃがみ込んだ。激しい感情が再び脳裏を駆け巡り、憎しみ、悔しさ、苦しみ、失望、絶望。これまでの努力と追求が一夜にして水の泡に帰した。

しかし、もし数時間早ければ、もし彼が電話を取ってくれれば、もし彼が私の一言を聞いてくれれば、助けられるチャンスがあったのに。

彼は呆然と立ち尽くし、一歩も動けずにいた。

「夏希、僕だよ。どうしたんだ?」彼は途方に暮れて、何が起きたのか理解できずにいた。

私はやっと気持ちを抑え、ゆっくりとホールを後にした。背後で雲翔が追いかけてきたが、私は彼に背を向け、「一人になりたいの」と言った。

家に戻ると、画室に一人で座り、時々笑いたくなり、時々泣きたくなった。

自分は冷静になったと思っていたが、雲翔に会うと強烈な不満が全身を覆った。

部屋は明るく照らされており、最近はいつも明かりをつけたまま寝ていた。暗闇になるとあの恐怖の夜を思い出してしまう。激しい痛みが体中を走り、私がつかみ求めた希望は私の芸術生命を奪ってしまった。

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