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第4話

動画の中で、誰もステージに呆然と立っている二人の愚か者には関心を示さず、人々は私の行方を探し始めて忙しくなった。

「純子はどこ?」

「純子はどこに?」

「新婦は?電話が通じないし、どこかにいるのかわからない!休憩室を探した?」

「着替え室、最上階の部屋、あらゆるところを探して!何やってるの!動かないで!」

......

広末のお母さんも険しい顔をして、急いでスタッフに私の行方を探しに指示した。それに乗じて、ゲストたちも動き出した。

ステージ上の二人には誰も関心を向けず、司会者も慌ててステージから降りた。

雅也と涼子は、まるで見世物のようにステージに立って、お互いを茫然と見つめ合った。まるで人前で見せびらかされるサルのように、手足が震えていた。

さらに滑稽なのは、会場の観客がみんな私という失踪者の行方を探していて、彼らが去るかどうかに誰も関心を示していないことだった。

涼子と雅也が想像していたロマンティックで刺激的な逃婚のシーンは、私の突然の失踪によって、スーパーの入り口で老人たちが特売品を奪い合うような混乱に変わった。

二人はステージに立ち尽くし、逃げるにも逃げられず、逃げないにしても逃げられなかった。

逃げても、誰も気にしない。

逃げなくても、誰も気にしない。

時間もいい具合に過ぎたので、別のLINEアカウントで綾乃に飛行機に乗る準備ができていることを伝え、親にはできるだけ短いメッセージで状況を説明し、私の個人情報を漏らさないようにと注意した。

それから、携帯電話をフライトモードに切り替えて、ファーストクラスの座席に深く沈み込み、十数時間のフライトを楽しむことにした。

着陸するとすぐに、綾乃からのメッセージが次々と飛び込んできた。どうやら、その後の展開は非常に面白いらしい。最初の返事を送ると、綾乃は我慢できずにすぐに音声通話をかけてくれた。

「はははは、純子、あなたのやり方は凄いわ」

「想像もつかないくらい、港城は大混乱よ。広末家の人々や友人だけでなく、有名な人もたくさん来ていて、あなたが逃げたことで大騒ぎになっているの」

「二人はステージで10分も立ち尽くしていたわ。誰も気にせず、最後は自分で降りてきたの。見ている私も、彼らがそこに城を建てるんじゃないかと思ったわ。今、トレンドでその動画が1位になっていて、ネットユーザーは二
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