第7話

佐藤誠は私を見ると、涙を流しながら血を吐き、必死に手を伸ばして私の手を握ろうとした。

「竹子、ご、ごめんなさい」

「もし生き残れたら、これからはずっと君を大切に愛するよ」

彼が中に押し込まれた後、私は軽く嘲笑った。

「お母さん、もし彼が死んだら、その素晴らしい目は僕のものになるの？」

その声を聞いて私は振り向くと、川本さやが慌てて翔太の口を押さえ、申し訳なさそうに私に微笑んだ。

「子供の戯言ですから、気にしないでください」

私は頷き、彼女はほっと息をついた。

佐藤誠の救命措置は午後いっぱいかかった。

川本さやは午後ずっと祈り続けていた。

私は特に彼女が佐藤誠の救命成功を祈っているのか、それとも失敗を祈っているのか知りたかった。

手術室の明かりが消え、佐藤誠が白い布に覆われて家族に哀悼を示すために運び出されることはなく、川本さやは顔色を失い、茫然として椅子に座り込んだ。

「どうしよう、どうしよう……」

佐藤誠が運ばれてくると、最初に飛びついたのは川本さやだった。

彼女は涙と共に泣き叫び、まるで佐藤誠を死に追いやろうとした人間が自分ではないかのようだった。

「誠さん、やっと無事で良かったです。本当に心配しましたよ……」

佐藤誠は意識があり、顔をそむけて川本さやを見ようとはしなかった。

これは彼が以前なら決してできなかった行動だ。

それだけ彼が失望しきっているのがわかった。

彼は私を見ると声は出せなかったが、一瞬だけ目が輝いた。

彼は私に向かって手を伸ばしたが、それは非常に苦しそうだった。

川本さやは少し困惑していた。

私は歩み寄らず、彼が病室に運ばれるのを見ているだけだった。

彼の目は少し寂しげで、ついに目を閉じた。

彼のその様子を見て、私はどれだけ気持ちが晴れたかわからない。私が彼の手を握って泣きながら「生きていてくれて良かった」と言うとでも思っているのか？

そんなことはあり得ない。

佐藤誠は喉を痛め、ここ数日は療養しており、体にはいくつものドレーンチューブが挿入されて、ベッドに横たわったまま動けなかった。

川本さやは私という正妻よりも熱心に通っていた。

全てを尽くしていた。

私は彼女が何を恐れているのか知っていた。

佐藤誠が死んでしまえば、それは偶然の事故として扱える。

しかし、彼は死ななかった。もし彼が