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Load of Merodia  記憶喪失の二人
Load of Merodia 記憶喪失の二人
Author: 神木セイユ

0.プロローグ

last update Last Updated: 2025-04-23 16:00:00

 銀の鱗の上。

 翼竜に乗った仲間が叫んだ。

「リラ !! 振り落とされんな !! 」

「大丈……。っ !!? みんな、西 !! 別のがいる !! 」

 シルバードラゴンにあと一息でトドメというところで、夕日の中に別のドラゴンのシルエットが見えた。

「オスじゃねぇーの !? せっかく引き離したのに !! 」

「戦闘が長引きすぎたな。シエル、回復薬は ? 」

「もう無いよ ! とてもじゃないけど連戦できない ! レイ、どうするの !? 」

「……っ。全員離脱用意。このドラゴン討伐は……諦めるしか……」

 この時。

 わたしは出来ると思った。

 本当はパーティの全員に支えられてきた自信と実力だったのに。

 それを過信したんだ。

「カイ ! 双剣を貸して !! 」

「はぁ !? 俺、魔銃は使えねぇよ ! 」

「替えの装備あるでしょ !? 

 わたしがゴルドラの気を引く ! 討伐は続けて !! 」

 一人、シルバードラゴンの背から魔法を伝い風に乗る。

「風よ ! 」

 風で弧を描く身体の先、ブーツから水蒸気の雫が光る。

    ギィィィンッ !! 

 その回転した反動を利用して、敵意剥き出しの雄竜に思い切り刃を向けた時。頭部へ一撃、全力で打ち込んだのに、ゴールドドラゴンは更に鋭い牙をギギッと剥くだけだった。

 自分の判断が間違いだと気付いた。

「くっ、硬っ !! 」

 剣が弾かれる。その直後聞こえた、不穏な風切り音。

 ヒュオッと耳の側で鳴った後、視界の端に叩き落とそうとする尾の先が見えた。

「リラァッ !! 」

 反撃を受けて、魔法が切れる感覚。

 真っ逆さまに落ちていく風の音。

 冷たい空気。

    視界の中で、ゴールドドラゴンがシルバードラゴンの背の上目掛けて火を吹いているのが最後の記憶。

 その記憶だけを残して。

 わたしは仲間の記憶を無くした。

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