十億当てた私にたかる家族を華麗に叩き潰してみた!
宝くじで十億円が当選した瞬間、私はその場で辞表を叩きつけ、実家へと帰る決意をした。
家族みんなに豪邸と高級車を贈る計画を胸に、高揚感いっぱいで家路を急ぐ。
しかし、玄関を開けるなり、冷たい現実が容赦なく私を叩きのめした。
「あんた、毎月の給料を全部渡してたから犬の世話をしてやったけどさ。今じゃ無職なんだろ?この犬、まだここに置いておくつもりか?それならいっそ、私の体の栄養にでもなってもらうわ」
弟の嫁の美羽(きりたに みう)が膨らんだお腹を撫でながら毒づいた。
「もうすぐこの家は五人家族になるんだから、あんたが居場所を取れるわけないだろ?分かってるよな、さっさと出ていけ!」
それに弟の智樹(ともき)も追い打ちをかけるように賛同する。
「そうだ、まずはこれまで親父とお袋が使った金を全部返せ。それから、その犬が食べたエサ代と水代も一円単位で払えよ。払えないなら、俺が訴えてやるからな!」
当選した喜びは喉の奥に押し込め、私はただ目を伏せた。
この家を建てる金を出したのも家具を買ったのも私だ。それなのに、愛犬を殺しておいて、今度は私に家から出ていけとは……
怒りで震える体を抑え、私は呟いた。
「犬小屋で寝ればいいじゃない」
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