私の通う高校には、アイドル並みに人気の双子の兄弟がいる。二人だけで、全校女子生徒のハートを鷲掴みにしてるんじゃないかってくらいの人気ぶり。私、小嶋希空(こじまのあ)も彼らのファンのうちの一人だ。お兄ちゃんである相楽陸斗(さがらりくと)くんは、少し癖のあるミルクティーブラウンの髪に、タレ目の二重の瞳と目元のほくろがチャームポイント。弟である相楽海斗(かいと)くんは、染めていないサラサラの黒髪に、涼やかな切れ長の二重の瞳が印象的。相楽兄弟は、双子でも顔は全然似ていないけど。兄弟そろって目だけでなく鼻も口も整っていて、少女漫画のヒーローにも負けないくらいのイケメンだ。おまけに成績も優秀で、陸斗くんはサッカー部、海斗くんはバスケ部で運動神経も抜群。そして、兄の陸斗くんは私の好きな人でもある。陸斗くんと初めて話した日のことは、今でも鮮明に覚えている。あれは、今からちょうど1年前のこと。高校に入学して間もない、4月のある日の放課後。私は、担任の先生から授業で回収したクラスメイト全員分のノートを、教室から職員室まで運ぶようにと頼まれた。「日直でもないのに、なんで私が……」『小嶋お前、暇そうだから』って、先生ひどくない?!そりゃあ今後部活に入る予定もないし、今日は学校が終わったら真っ直ぐ家に帰るだけだけど。入学して早々に雑用を頼まれるなんて、ついてない。「はぁ……」クラスメイト40人分のノートを胸の前で抱えると、無意識にため息がこぼれた。ていうかこれ、けっこう重い。その上、何冊ものノートを胸の前で抱えていると、目元が隠れてしまって足元がおぼつかない。私は、足元に気をつけながらゆっくりと階段をおりていたのだが。──ズルッ!「きゃっ」ふとした瞬間に足が滑り、体が大きく後ろにのけぞった。うそ。おっ、落ちる……!そう思ったときだった。「危ない!」私は、後ろから誰かに抱きしめられた。え!?「キミ、大丈夫?!」相手の人の両腕が、後ろからしっかりと私の腰にまわされている。誰かが、助けてくれたんだ。「はい、ありがとうございま……」私は、助けてくれた人にお礼を言おうと後ろを振り返った。だけど、最後まで言葉を発することができなかった。だって相手の男の子が、思わず息を飲むほどきれいな顔立ちをしていたから。︎︎︎︎︎︎「怪我はない?」
Last Updated : 2025-04-03 Read more