家に戻ると、私は真っ先に真理子が使っていた部屋に向かった。 脚立を持ち込み、四角いデザインの天井に手を伸ばして探り始めた。 彼女が生前ここに住んでいた頃、慌てた様子で何かを天井に隠しているのを見かけたことがある。 そのとき、彼女は「蚊がいたから捕まえようとしてたの」と笑いながら誤魔化していたけれど、今になって考えると、きっと何か大切なものだったに違いない。 探して......ついに見つけた! それは、深緑色の鉄製の箱で、表面には埃がたっぷり積もっていた。 箱を開けると、中にはスマートフォンと数枚の写真が入っていた。 写真には、春樹が言っていた通り、凉太が私の太腿に手を置きながらホテルから一緒に出てくる様子が写っていた。 そのほかにも、私が拒絶し、抵抗しながら凉太と口論している写真があった。 どうやら、真理子は春樹に最初の写真、あるいは私に不利な写真だけを見せたようだ。 私が抵抗し、嫌がる姿が写っている写真は、全てこの箱の中に隠されていたのだ。 私はすぐにスマートフォンに充電し、起動を試みた。 しかし、何度パスワードを入力しても正解せず、最終的にスマートフォンはロックされてしまった。 私は再び警察に通報することを決めた。 彼らなら法律という武器を使って、被害者全員に正義の光を届けることができると信じていた。 警察がすぐにスマートフォンのパスワードを解析してくれた。 中には真理子が記録していた凉太による私への猥褻行為の証拠写真、さらには彼女自身が受けた被害の記録が残されていた。 さらに、日記にはこれらの罪行が詳細に記されていた。 ついに......ついに霧が晴れ、厚い雲の隙間から光が差し込んだのだ。 凉太は猥褻罪で有罪判決を受けた。 さらに、法廷では激昂し裁判官を罵倒、警備員を殴るなどの行為に及び、これにより新たな罪状も加わった。 彼がこの先、光を浴びる日は二度と訪れないだろう。
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