人がここまで恥知らずになれるなんて。 私は思わず笑ってしまった。 勝美は翔太を冷たい目で見下ろしながら、厳しい声で言い放った。 「お前が、俺の母を許す?よくそんなセリフを口にできるな」 「俺が今まで優しすぎたから、調子に乗ったのか?」 「いい加減にしろ。お前たちのような腹黒い人間と婚約するわけがない。この場で戯言を吐いてる暇があるなら、自分たちの崩れかけたグループをどうにかする方法でも考えろ」 翔太の顔は怒りで真っ赤になり、震える声で叫んだ。 「何だと?お前、最初から俺たちを騙してたのか!園子の気持ちを弄んでいたんだな!」 勝美は冷ややかに園子を一瞥し、静かに言い返した。 「弄ぶ?騙してたのはお前たちだろ」 「お前たちは最初から俺の金を狙って、グループの赤字を埋めようとしていただけだ。俺はそんなカモじゃない」 玲子は驚いた様子で声を上げた。 「ちょっと待って!グループの赤字を埋めるって......どういう意味?あんた、私たちに何をしたの?」 私は一歩前に出て、ゆっくりと答えた。 「彼がしたわけじゃない」 「まさか......君が?」 翔太が目を見開いて私を睨んだ。 「信じないで!また嘘をついてるのよ!私たちを騙そうとしてるだけよ!」 玲子が叫びながら怒りを爆発させていると、突然電話が鳴った。 「え?どうして商品に問題があるの?ちゃんと検査したはずでしょ!」 同じタイミングで翔太の電話も鳴り出した。 「違法品?押収された?もう使うなって言っただろ!」 園子も電話を取り、苛立った声で話し始めた。 「10億?そんな額、どうして借金になってるのよ?前に確認したときはたった1億だったじゃない!」 その時だった。スーツにネクタイ姿の一団が、足早に会場へと入ってきた。先頭に立つ黒いスーツを着た男性が、自身をある銀行の代理弁護士だと名乗った。 「翔太さん、失礼します。あなたのグループは破産と認定されました。これより、名義人のすべての動産および不動産を差し押さえますので、ご協力をお願いします」 翔太は動揺し、怒りにまかせて私に詰め寄った。 「お前がやったんだろ!俺を陥れるために仕組んだに違いない!」 彼が近づくより
最終更新日 : 2024-12-19 続きを読む