火のように熱い視線が私たち3人に集まり、さっきまで口論していた夫婦も黙ってその様子を見守っていた。深海は一体何が起こっているのか全く分からず、ただ困惑した表情を浮かべていた。美穂は顔色を失い、私を見たときにはほんの少し焦りを感じさせる様子を見せた。「月音!もう僕たちは離婚したんだ!お前も僕と美穂の関係に干渉するな!僕は一生彼女だけを愛する!」周囲からはざわめきが起こり、私には同情の眼差しが向けられ、彼らには軽蔑の目が注がれていた。「今どき、こんな人もいるんだな、愛人が堂々と本妻に挑戦してくるなんて」「ほんとに、恥知らずって最強だよ」「今後愛人を作ったら、お前のチンコを折ってやる!」私は突然胸の中で怒りが爆発し、深海に思い切り平手打ちを食らわせた。「これは新婚のお祝いだよ。お礼なんていらないから」そして一度も振り返ることなく、軽やかにその場を離れた。その家は立地が良かったため、すぐに売れ、購入者も快く全額で取引を終えた。私はそのお金で新たに3LDKの家を購入し、自分の好みに合わせてデザイナーを探してリフォームを始めた。生活は続き、私は懸命に働いて子どものミルク代を稼ぎながら、忙しくも充実した毎日を送っていた。桜子はとてもお利口で、毎日ミルクを飲むか寝るかの繰り返しで、ほとんど手がかからなかった。そして、あの探偵は頼りになる存在で、時々、元夫一家の面白い日常を見せてくれた。深海一家はまだ立ち退きの準備が進行中で、今は仮住まいしていた。結婚証明書を手にした後、美穂はまるで金の卵のように大切にされ、毎日元義母を困らせていた。松阪牛が食べたいだとか、伊勢海老が食べたいだとか、わがままを言って周囲を振り回していた。私の元義母のようにケチな性格の人が、そんな食事をするのはまるで命を削られているかのようだったけど、美穂の腹の中の子どものために耐えていた。その不満を少しでも発散するために、時々美穂と口論することがあった。深海とあの元義母は、立ち退きの話を徹底的に隠していて、和美ですらそのことを知らなかった。私は意図的にその情報を翼翔に伝えた。翼翔は期待を裏切らず、情報の真偽を確かめると、すぐに深海のところへ駆けつけ、大騒ぎを始めた。悪友たちと共に破壊活動を行い、気が済んだところで、今度は元義母一家の前で和美を罵り
Last Updated : 2024-12-30 Read more