「はい、おばさん、覚えました」ちらっと男神を見やると、案の定、さっきよりも随分と大人しくなっている。あの平手打ちが飛ぶ前は、心の中でこれでもかというほど汚い言葉で罵っていたくせに、今はすっかり静かになっている。やっぱりうちのおばさんだ、村の男馴らしランキングで堂々トップに君臨するだけのことはある。おばさんの家を出ると、すぐに花屋姉さんに捕まった。花屋姉さんはおばさんの家の執事で、昨晩のパーティーで高橋おばさんの隣に座っていたあの姐さんだ。村の男馴らしランキングでは堂々の第二位だ。「暁ちゃん、今回おばさんにあげたんだから、次は私の番でしょ?」花屋姉さんは満面の笑みを浮かべながら、私の手に厚みのある札束を押し込んできた。こういうところが彼女たちの賢いところで、私が守銭奴なのを知っていて、まず札束を渡してくる。そうすれば話が早い。「心配しないで、もう準備してるから」私はスマホを取り出し、アルバムを開いて瀬名央の親友の写真を見せた。だって、瀬名央もこっちで一人じゃ寂しいだろうし、親友を呼んできて、仲良くしてもらわないとね。それに、この親友もなかなかのイケメンだ。花屋姉さんの好みである陽光肌のマッチョ系、普段はジムで金持ちの女性を騙すのが得意なタイプだ。「こいつでどう?」花屋姉さんは大喜びで、その場で二百万円を私に振り込むと、嬉しさのあまり私の頬に思いっきりキスをしてきた。「いい子だね、暁ちゃん。姉さんはいい知らせを待ってるよ」「大丈夫、すぐにいい知らせを届けるから」私は男神のスマホを取り出して、彼の親友に位置情報を送り、一言添えた。「相棒、いい話をお前に黙っておけないぞ。早く来い。こっちはみんな洋館に住んでる金持ちの奥様ばっかりだぜ」
Last Updated : 2024-12-04 Read more