その日の年次総会のビデオは誰かによって録画され、短編動画プラットフォームにアップされた。「会社の幹部が不倫現場を押さえられ、年次総会で大騒ぎ」という記事が瞬く間にプラットフォームのトップニュースに浮上した。動画のシェア数が急激に増加するにつれ、武に関する数々の事実も次々と明るみに出た。結婚詐欺、息子殺し、不倫の現場発覚、去勢などのホットワードがネット上で次々に話題となり、拡散された。会社のSNSや武の個人SNSは、怒ったネットユーザーによって荒らされ、炎上した。多くの女性たちが私を支持し、声を上げてくれた。同性愛者のコミュニティですら、武の浮気や裏切り行為に対して軽蔑の意を表した。私と息子は、同情と哀れみの目で見られるようになった。私は、公正で客観的なメディアを選び、インタビューを受けることにした。インタビューでは、息子の遺骨を抱きながら、私の経験を最初から最後まで詳細に語った。最後に記者から「何か言いたいことはありますか?」と聞かれた。私はカメラとマイクに向かって、一言だけを残した。「悪人には必ず悪い報いがある、これが岩田武の報いです」
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