この日を境に、彼はまるで知らない別人のように変わってしまった。私を、彼の世話をするただの家政婦のように扱うようになり、そればかりか、暁斗兄さんに対して行ったあの仕打ちを理由に、私を「ふしだらな女」だと罵るようになった。暁斗兄さんから離婚の際に分与された車を売って、ブランドの腕時計を買えと言ってきた。私が拒否すると、ついに暴力を振るうようになった。このときになって初めて気づいた。彼は元々そういう人間だったのかもしれない。突然変わったのではなく、変わったのは私の立場だったのだと。母はすべてを受け入れることができず、重い病に倒れ、私を残してこの世を去った。死を迎える間際で、母は暁斗兄さんがずっと私を気遣い、どれほど私に良くしてくれていたのかを話してくれた。彼はあれほどまでに私に優しくしてくれたのに、その深い愛情を私は大切にするどころか、いい気になって彼を傷つけることしかできなかった。彼の優しさを私は分かっていた。心の中で、彼の行動に温かさを感じることもあった。それでも、当時の私は彼と結婚したいとは思えなかった。あの頃の私は、まるで魔法にかかったようだった。ただ誠と一緒にいたかった。だから、父がいろいろな手を使って結婚を強要しようとしてきたとき、私はただそのすべてをめちゃくちゃにしてやりたい、反抗してやりたいという思いだけだった。でも、父も私のためを思っていた。父は、暁斗兄さんだけが本当に私を愛してくれている人で、無条件に私を受け入れ、包み込んでくれる唯一の存在だと分かっていた。それを理解できなかったのは私だ。私が愚かだった。目が曇っていた。私が父の思いを裏切り、挙句、父を植物状態に追いやってしまった。今、誠に騙され、虐げられているのは、全部私への報いだ。父を見舞いに行くと、ベッドの上で眠り続けている父をどうしても起こすことができなかった。誰にも助けを求められず、ただ父の前で泣くしかなかった。暁斗兄さん……そうだ。親以外で私にこんなにも良くしてくれたのは、彼しかいなかった。けれど、私は彼をあんなふうに追い払った。自分の愛情を証明したつもりに。なんて愚かだったんだろう。何度、彼の電話番号を探し出しても、結局かける勇気が出なかった。あのとき、どれだけ酷い言葉で彼を傷つけたかを思い出すと、彼が絶望的な目で私を見つ
続きを読む