会社から電話がかかってきて、私は初めて山田旭が無断欠勤していることを知った。朝早くから出かけて、「朝食を食べに行く」と言っていた。電話をかけても出ないので、急いで家へ帰った。下の階で日向ぼっこをしているおばあさんたちが私を見ると、口を抑えて笑っていた。こんなことは初めてではなかった。私は足を止め、心が沈んでいくのを感じた。彼女たちの視線が私と朝食屋の間を行き来している。普段賑やかな店の扉は閉まっていた。佐藤おばあさんがためらった後、私に手を振った。彼女は私の耳元に寄って小声で言った。「裏から覗いてみなさい」私は元々不安な心がさらに沈んだ。裏に回り、開いた窓から中を覗くと、二人が裸で一緒に寝ていた。背を向けている白い背中を見る限り、山田旭だと分かった。私はドアを蹴りたくなる衝動を抑え、震える手で二枚の写真を撮った。髪を乱した小林夏美が微かに目を開け、私の視線と合った。しかし、彼女は口元を緩め、笑いながら山田旭の首を抱き寄せた。まるで何も恐れていないかのように。私は麻痺した手足でその場を離れ、階段を這い上がって家に帰った。リビングに座って、しばらくは現実に戻れなかった。怒りの中に悲しみを感じた。山田旭のような男ですら、不倫を覚えたのだ。携帯が震え、見ると見知らぬアカウントが友達追加してきた。承認すると、相手から目も当てられない二つの動画が送られてきた。どうやら家の監視カメラが撮ったのだ。動画の中で、山田旭は小林夏美を抱き寄せ、満面の笑みを浮かべている。彼は言った。「家にいる妻はNPCみたいで、近づくとタスクを与えられるのよ」小林夏美は笑って彼に寄り添った。「男は家事を全部やったら、もう妻なんて要らないでしょう?」「そうそう、食事のときも不満を言って、音を立てないようにしろって」小林夏美は思わず笑い出した。「あなたが音を立てれば立てるほど、私は嬉しいわ」「美味しいからこそ音を立てるんだ、あいつは本当にしつこいな」私は携帯を握りしめて、手を画面に突き込んで、平手打ちを食わせたくなった。......昼になると、山田旭はやっと帰った。ドアを開けて私を見た瞬間、まるで幽霊を見たような顔をした。彼は言葉を詰まらせた。「あなた…仕事は行ってないの?」私は彼を
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