私の頭が見つかったその日から。 私は自分が次第に弱くなっていくのを感じた。 わかっている、この世界に対する私の未練が消えかかっているのだと。 そして私も、この世から消えていく。 篠宮薫は死刑を宣告された。 彼は殺人動機は「東野聡が気に入らなかったから」と言った。 しかし誰もが知っている、彼が篠宮葵のためだということを。 彼は篠宮家の養子で、ずっとこの妹を大切にしてきた。 妹が生き延びられるなら、彼はどんな代償もいとわなかった。 たとえそれが、彼が可愛がってきた後輩を殺すことでも。 聡はあの日以来、もう仕事に行っていない。 彼は私の頭を抱いて、家にこもっていた。 以前と同じように、家をきれいに掃除して、私の好きだった料理を作る。 私が食べられない肉の脂身を彼が食べ、私が絶対に手をつけなかった残り物も彼が片付ける。 彼は私にウェディングドレスを買ってくれた。 でも、私は頭だけなので、ヴェールをかぶるしかない。 彼は言った。「夕星はとても美しい」と。 彼が今まで見た中で、一番美しい女の子だと。 それに、彼は私のプロポーズを断った理由を話した。 それは、本来、こういうことは男がするものだからだと。 そして最後に、彼は私とずっと一緒にいると言った。 私の頭が腐っていくにつれて、部屋の匂いはどんどんひどくなっていった。 もう、耐えられない。 もう十分だよ、聡。 本当にもう十分だ。 私を埋葬して、安らかに眠らせて。 そして、あなた自身を解放して、私を忘れて前に進んでほしい。 暗闇の中で、彼は私の声を聞いたかのようだった。 彼はそっと、つぶやいた。 「わかったよ」
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