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第368話 待ってるよ

田中仁は彼女をじっと見つめて、口角をちょっと上げた。「よし、もう大丈夫だ。帰ろう」

浜白に戻った。

三井鈴は陽翔から電話を受けた。「鈴ちゃん、ほんと大胆になったね、友也みたいな悪党に一人で会いに行くなんて、危険だってわかってるのか?」

「ええ、大丈夫だよ!それに田中さんがいるから、心配いらないよ。友也も捕まったし。安心して!」

陽翔はもう知ってた。

でも、三井鈴がこんな大事を事前に言わなかったのが、なんだかちょっと不満だった。

「鈴ちゃん、次は気をつけてね」

三井鈴は何度も約束した。「わかった、大丈夫だよ!」

いくつか注意を促して、陽翔は電話を切った。隣の三井蒼が心配そうに聞いた。「どう?鈴は大丈夫?」

陽翔はスマホをしまいながら、「大丈夫だ、彼女は田中の奴がそばにいるから、問題ないって」

田中仁の名前を聞いた三井じいさんは、嬉しそうな表情を見せた。「この子、目が肥えてるね。鈴木家は残念だけど、うちの結婚話は難しそうだ」

言外にちょっと寂しさを感じた。長年鈴木家と仲が良かったから、結婚できたらよかったのに。

でも、結婚は強制できないからね。

「じいちゃん、鈴ちゃんの目を信じよう。今回は絶対失望させない」

「……陽翔、妹のことばかりじゃなくて、お前もいい年なんだから、いつ孫を連れてくるんだ?」

自分のことを言われて、陽翔はごまかした。「じいちゃん、会社でやることがあるから、先に行くね......」

言い終わると、三井じいさんの返事を待たずにさっさと去っていった。三井じいさんは彼が逃げる姿を見て、ため息をついた。

「この子、恋愛の話になるとまるで子供みたいだな。まあ、若い奴には若い奴のやり方があるから、任せよう!」

……

時間が静かに過ぎていって、三井鈴は忙しかった。この期間にいくつかの新しいプロジェクトを手がけてて、ずっと忙しくしてた。

この日、三井鈴はクライアントと商談するために、商業都市のレストランで食事をした。

このコラボレーションは長いことかけて準備してきたのに、相手がはっきりした返事をくれなかった。

包間に入る前に、土田蓮がぼやいた。「三井さん、こちらがこんなに誠意を見せてるのに、向こうは全然譲らないし、明らかに協力する気がないんじゃないの?」

三井鈴は表情を引き締めた。「どんなことがあっても、今日はまず彼らの社
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