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第5話

れいな姉の歓楽の時間は、祖母の突然の来訪によって終わりを告げた。

「れいな!何という所業だ!」

祖母は驚くべき俊敏さでれいな姉に飛びかかり男から引き離した。

黒髪を掴まれ、れいな姉は否応なく祖母と向き合わされる。

興奮で頬を赤く染めたれいな姉は、瞬時に反撃に転じた。祖母の顔の皮膚を掴み、まるで剥ぎ取らんばかりに引っ張ったのである。

祖母の悲痛な叫び声が祭殿に響き渡った。

「ハハハハ!おばあさま、私たち孫娘たちを一番かわいがってくださるんじゃなかったの?

祭殿にこんな男たちがいるなんて、どうして黙っていたの?まさか、おばあさまの独り占めにするつもりだったのかしら?」

祖母は怒りに震え、れいな姉に手を上げようとした。

れいな姉は逃げる気配すら見せず、冷静な手つきで刀を取り出すと、男の喉元に突き付けた。わずかな圧力で、その首筋から血が滲み出る。

「やめなさい!」祖母は男の血が床に落ちることを恐れながらも、近づくことはできなかった。

れいな姉は勝ち誇ったような表情で、祖母に立ち去るよう命じる。

祖母には選択の余地がなかった。

しかしれいな姉は不敵な笑みを浮かべたまま、突如として男の喉を切り裂いた。鮮血が噴き出し、銀白の床面が深紅に染まっていく。

「これで終わりよ、ババア!」れいな姉は狂気じみた笑みを浮かべる。「私の体が欲しいだなんて、死んでしまえ!」

「ハハハハ…」しかし、さらに凄まじい狂気の笑い声がれいな姉の声を覆い尽くした。

「ま、まさか…どうして何ともないの?男の血が床に落ちれば…」

その言葉が終わらぬうちに、れいな姉の細い首が祖母の手に絡め取られた。尋常ならざる怪力で、れいな姉はいくら抵抗しても逃れることができず、喉から絞り出されるような呻き声を上げるばかりであった。

「この愚か者が、私如きと渡り合えると思ったのか」

祖母の周到な策略が明らかになった。既に祭殿の床には防水布が敷かれていたのである。

「さくらの霊堂で隠れているつもりだったのかしら?慌てふためいて、着物の裾すら隠せていなかったというのに」祖母はれいな姉の頭を容赦なく床に叩きつけた。

鈍い音が幾度も響き渡り、れいな姉の額から血が滲み出る。「霊、霊堂って…何のこと…」

「違う…あれは…」さらに言葉を紡ごうとしたれいな姉だが、祖母が苛立ちの表情で指に力を込めると、そ
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