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第5話

著者: 小木
last update 最終更新日: 2024-12-04 17:42:38
その肥満した体を見つめながら、俺の脳裏には、傷だらけの妹の姿が浮かんだ。

知的障害者を騙すことは正当だとは言えない。知的障害者の愛を利用するのはもっと卑劣だ。しかし、知的障害者だからといって、他人を無闇に傷つけていい理由にはならない。

監視映像でバカ太郎を見た時点で、俺は法律が俺の復讐を果たすことができないと理解していた。法律は俺の憎しみを晴らすことができない。

彼は知的障害者で、頭に問題がある。彼は法律に許されるだろう。しかし、俺は彼を許さない。

命には命を――それが公平というものだ!

手にした鉄筋を高く振り上げ、俺の目には冷酷な光が走る。全身の力を込めて、バカ太郎のふくらはぎに振り下ろした。

「バキッ」という鋭い骨の砕ける音が響き、バカ太郎の巨体が地面に崩れ落ち、灰塵を巻き上げた。

それと同時に、彼の耳をつんざくような悲鳴が響いた。恐怖に震えた目で俺を見上げ、なぜ自分がこんな目に遭うのかわからないようだった。

震える手で鉄筋を握りしめ、彼の変形したふくらはぎを見つめながら、俺は軽く歯を鳴らしていた。

「なぜ彼女を選んだんだ?なぜだ!」

心の中の恐怖をすべて憎しみに変え、充血した目でバカ太郎の襟首を掴んだ。

おそらく俺の姿があまりにも恐ろしかったのだろう。バカ太郎はもう片方の脚を丸めながら俺から遠ざかろうとし、「ぼく、盗んでない、盗んでない……」と繰り返し口にした。

その言葉を聞いた俺はさらに怒りがこみ上げた。なぜ俺の妹が命を落とし、彼はこの事件すら覚えていないのか。

「お前は俺の妹を殺したんだ!俺のたった一人の家族を殺したんだ!どうして忘れられるんだ!」

怒りの声をあげながら、俺はバカ太郎に向かって叫んだ。

彼は頭を抱え、後ずさりし続けながら、「ぼく、盗んでない……」と言い続けた。

その言葉が俺の怒りに火をつけた。鉄筋を振り上げ、彼の無傷の左脚に全力で振り下ろした。「バキッ」という音が再び響き、血が俺の体に飛び散った。

「盗んだのはデリバリーじゃない……お前が盗んだのは俺の妹の命だ!俺の妹の命だ!」

さらに数度鉄筋を振り下ろした。鉄筋がコンクリートの地面にぶつかるまで俺は動きを止めなかった。

バカ太郎の脚は血肉がぐちゃぐちゃになり、骨が折れたまま露出している。この血生臭い光景に、ようやく俺は正気を取り戻した。手にした鉄筋が震
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